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内容説明
餃子、春巻、酢豚……品書きは至って普通、しかし京都の中華はちょっと違う。にんにく控えめ、油控えめ、強い香辛料は使わない。だしのとり方が独特で、どの店も勘定がやさしい。花街で愛されてきた割烹式中華から、学生街のボリューム満点中華まで、この街の歴史や風習に合わせて変化してきた「京都でしか成り立たない味」のルーツを探索する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡部敬史/おかべたかし
68
今、京都にきていますが今回のガイド本に選んだのがこれ。京都ではニンニクをあまり食べないし、刺激の強いものもあまり食べなかったけれど、それは我が家だけでなく京都中華の特性だったのか。春巻きもしっとりなのも京都流だったのか。これから京都中華の探索に行こう♪2017/03/30
ユメ
51
本書は単なるグルメガイドではない。いかにして京都という街で独特な中華の味が育まれたのか、街の歴史の一端を紐解く丹念な取材記である。京都の中華は店が客の要望に応え、客もそれに応えて店を贔屓にしたやりとりの賜物だ。客が通い続けることを「京都みたいな狭いとこで『もうあそこ行かへんわ』て言い出したら、次行くとこないねん」という[菊乃井]村田さんの言葉に得心し、「『仕事』をくみとれる人でありたい」という著者の言葉に背筋を正される。街が味を育てるとはこういうことか。貪るだけの人しかいない街では、文化は成熟しない。2017/10/12
ホークス
45
料理、お店、作り手の柔らかな佇まいに陶然となる写真多数。解説も味わい深く、卵皮の春巻きや出汁の効いた餡掛けの話に激しく食欲を刺激された。京都の場合、都であった事が土地柄の一部を成しているが、中華との関係性は何とも言えない。しかし本書を読んだ上で「京都の中華」の真髄をあえて問うなら、ユルさに隠れた作り手と食べ手の「ねばならぬ」美学の中に求められるだろう。巻末の対談では、没落して行く日本がどうすれば飢餓を避けられるかに話が及ぶ。内容の是非はともかく、食文化には意外に大きな役割があると再認識した。2018/03/31
A.T
26
一見、どこの街にもありそうな町の中華屋さん。京都にはニンニクやニラ、香辛料を抑え、鶏ガラ昆布だしとしょうゆ・砂糖・塩で調理されたやさしい味の和風中華の店があるという。今回、また幾たびかの京都旅行では本書をガイドブックのようにして数軒食べ歩いた。京都大学そばの学生さん御用達「華祥」の卵白あんかけ炒飯はふわふわの卵白の卵焼きが載ってる。四条河原町からすぐの「芙蓉園」の黄金色のあんかけ鶏肉入り卵焼き 鳳凰蛋は親子丼みたいだけど、風味は不思議と中華。巻末の対談で明かされる京都庶民の中華の歴史が面白い。2018/12/12
たんぽぽ
26
京都に行くと食べたいものがいっぱいあって、なかなか中華にたどり着かない。今度は中華を食べに京都に行きたいなぁ。 しばらく滞在して、普通の京都ご飯を堪能するのが夢です。2018/04/12