内容説明
ペリー来航前に大英帝国の歴史学者が書いた「オール・アバウト・ジャパン」。 米英が恐るべき精度で日本のことを把握していたことがわかる最重要資料の初の全訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シャル
11
日本が鎖国をしていた江戸時代。その僅かな情報と過去の文献から、当時の日本を分析、分解、紹介しているイギリスの本である。その内容は当時としてもかなり正確で、現代まで続く『海外から見た日本の国家性国民性』を的確に捉えているようさえ思える。また、イギリスの視点らしく、『キリスト教がなぜ日本で失敗したのか』の分析にも多くのページを割いているのも印象的。信仰に関してはありえないくらいに寛容、もしくは無関心とし、その理由に内裏=天皇の存在があると見抜いているあたりも鋭い。時代性を感じさせない『日本を知る本』である。2016/11/09
naniwoyomu
10
おすすめ。 #興味深い #日本を知る
hitotak
7
まだ鎖国中の日本について、参考文献と、実際に来日経験のあるオランダ商館員を情報源にして書かれた日本論。女性が社会的地位を保ち資源が豊富などと的外れなことも書いているが、幕府と朝廷の関係や民族の気質等、核心部分は本質をついている。ここまで分かられていたのかと当時の欧米人の分析力に驚く。キリスト教を日本に伝え、結局はその布教の強引さが鎖国を招いたせいもあり、カトリックとポルトガル人および貿易利益を独り占めするオランダ人への非難が随所に書かれており、プロテスタントでイギリス人の著者の苛立ちが感じられて面白い。2018/07/14
ぶるーめん
6
ペリー来航前、日本についての基礎資料と言われている本。著者は日本に来たことがないが、各種文献等から取りまとめられており、ある意味伝説的になっていた鉱物資源の部分を除くと概ね妥当性があるのが驚き。法体系は弱いが、鎖国という閉鎖系のなかで最適化された、秩序と自由が調和した社会システム(勿論見えていない悪い部分もあると思うが)や、なぜ鎖国に至ったのかとか、オランダと中国だけがなぜ交易を許されたのかという経緯が世界目線で語られていて大変面白かった。中国でなくタタール人、トルコとの類似性をとらえる見方も興味深い。2018/04/25
Hiroshi
6
1852年7月、ペリー来航前にニューヨークで出版された日本についての本。正式な題は「日本:地理と歴史 この列島の帝国が西洋人に知られてから現在迄及びアメリカが準備する遠征計画について」である。日本に行ったことのないイギリス人が著者だ。西洋との接触、地理・歴史・宗教・政体・鉱物・植物・動物・芸術等・民族性・言語等に分かれて書かれている。当時はパナマ運河の構想が練られだし、ホーン岬経由ではない太平洋航路が研究され、広大な市場を有する中国との貿易の交通の要所として日本が目を付けられたようだ。鎖国はけしからんと。2018/04/05
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