内容説明
えっ「浦島太郎」は実在の人物だったの!? 日本昔話成立の舞台裏を検証していくと、現代社会にも通じる数々の教訓が隠されていた! 庶民の歴史をまったく新しい角度から掘り起こし、人生を豊かにする本!
目次
第1章 本当はニートの「桃太郎」
第2章 根性はずる賢い「一寸法師」
第3章 猿一匹に九人がかりの「猿蟹合戦」
第4章 メディアが歪めた「かちかち山」
第5章 「桜咲く」とは限らない「花咲か爺」
第6章 「瘤取り爺」が山に暮らした理由
第7章 いじめられっ子の「舌切り雀」
第8章 実在の人物だった「浦島太郎」
第9章 反戦の物語を生んだ「鶴女房」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月讀命
54
我々誰も知っている子供の時に聞いた昔話のなかには、日本人の道徳観や、教訓、倫理、掟というものが多く含まれており、それを解き明かしている本である。桃太郎、花咲じじい、浦島太郎、一寸法師、猿蟹合戦、鶴女房などのお話の中に隠された壮大なロマンは、その奥に日本の文化、日本人の思想を見出すことが出来る。著者は,江戸時代の赤本と言われるものや、民話研究の柳田国男氏の文献などの多くを研究し紐解いている様であるが、かなり深読みし過ぎている様に感じられ、著者の主観が強調され過ぎている感もあるが、そこがまた面白く思われる。2013/07/31
ばりぼー
37
江戸初期の赤本「草双紙」や、明治期を代表する童話作家・巌谷小波の「日本昔噺」シリーズなどを主な資料として、昔話に込められた「原初的思考」と、伝承の過程で行われた「改変」の意図を読み解いたもの。例えば、本来は桃から生まれた桃太郎が、江戸期では桃の呪力で若返るという発想を重視して、若返ったお婆さんが通常サイズで出産するという合理的な解釈をしていたが、昭和に入って柳田国男が「竹取物語」につながる「異常誕生」に注目し、体の小さな神が異界から人間の世界にやってくる「小さ子信仰」を見出して元に戻ったとしています。2016/11/29
ともとも
28
自分たちが知る、昔話、実は意外な一面も・・・ 始め口頭で語り継がれていたものから、江戸時代の赤本(絵入りの娯楽本) そして、時代の背景、現代では子どもに読み聞かせる絵本。 それぞれに違うストーリー、イメージが変えられてたりで 自分が知るストーリー、キャラクター、そしてイメージの違いがあって そのギャップに驚かされながらも、新たな一面を知ったという納得感と新発見的な感じが、 興味をそそられ、それがとても面白い。 昔話の面白さ、魅力を改めて痛感させられた1冊で良かったです2015/11/22
ジョニーウォーカー
18
例えば「かちかち山」はもともと、お婆さんが狸に殺され、その肉を使った“狸汁”をお爺さんが食べてしまうことから始まる復讐劇だが、現代版はずいぶんと内容が違うという。お婆さんは狸にいじめられるだけで済み、その結末も、狸がお婆さんに謝っておしまいだとか。児童向けに話をオブラートで包んだ結果だが、これ本当に子供のためになっているんだろうか? 第一、物語としての感情移入度やリアリティーが半減している。大人たちのこうした要らない配慮が、桃太郎が5人もいる狂気の学芸会を生み出していないだろうか?2010/05/19
ムーミン2号
9
タイトルにつられて本書を手にすると、さらに奥深い民話の世界に誘われる。タイトル買い、ジャケ買いを狙ったのは出版社側だろうが、著者のねらいは別にあるように思う。たかだか200頁に満たない+α新書で、著者の昔話論考が詳細に語られるはずもない。その上澄みだけを提示されるわけだから、そこから奥は興味があれば自分で開いていかなければならないのだろう。ただ、上澄みと言ってもそのテーマは多岐にわたっている。キャッチーなタイトルとは裏腹な、奥深いテーマへの入り口が示されている。2023/05/17
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