内容説明
瀬戸内の大三島、九州・日向の高千穂への旅路。爆心地近くの城島の宿で独りきいた「平和の鐘」。茜色に暮れなずむ富士山を見る御坂峠の茶屋の宿。伊豆の河津川や、栃代川、笛吹川、富士川での川釣。旅と釣がこよなく好きな作家の眼が、出会った人々、その土地土地の歴史の跡と人情の温もりをあたたかな筆づかいで活写する、懐かしい旅の回想。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
21
井伏鱒二による 主に戦前の旅取材のエッセイ。戦後の旅モノの「七つの街道」と2冊続けて読んでみました。内容の濃淡はあるものの基本は変わらない。淡々と、地元を取材する、釣りをする。取材先で出会った人に興味を惹かれつつも、自分との距離感を保つ旅人のスタンスが酸いも辛いもかぎ分けてきた温厚な筆者ならでは。と、油断してかかるとシニカルに切り込んでくるのでご注意。2019/02/28
A.T
19
再読。つげ義春が好きだという 井伏鱒二のエッセイはこれ指してるのだろうか。「山の宿」都会の喧騒から隔絶された「厚着の女の襟元のような」幾重にも重なる山影の奥の道。鉱泉の宿(つげ義春のゲンセンカンのモデル)からの帰り、山道でばったり出会った二人の美しい娘が20数年前にも同じ道で目撃されていた話、、、井伏さんの世界からつげ義春へ入り込む思いで読んだ。2019/10/13
ダイキ
4
「雨の降った日や仕事の暇な時には、長屋のおかみさん連はアイ婆さんの家に集まって、村上のおばさんに「暗夜行路」を読んでもらう習慣になった。〔略〕尾道弁で話すところや尾道風景の描いてあるところを朗読する段になると〔略〕アイ婆さんはおきまりのように涙にかきくれて、もうその部分だけは文章を暗記しているおかみさん連は声を揃えて暗誦する。〔略〕「暗夜行路」の愛読者は全国に何百万人あるかしれないが、こんなにうっとりとこの小説を読み込んだものは、尾道の宝土寺裏に住む長屋のおかみさん連ではなかったろうか」(志賀直哉と尾道)2024/05/16
hitsuji023
1
味わいはあるけれど、面白さがなかった。2021/04/30
yunomi
1
旅にまつわる随筆集。たまたま泊まった宿の主人が部屋に案内する早々、オリジナルの曲を延々と歌いだして、それを井伏がじっと正座をして最後まで聴いている、という話が面白かった。2011/01/24
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