集英社新書<br> 英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる

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集英社新書
英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる

  • 著者名:施光恒【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 集英社(2016/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087207958

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内容説明

英語化を進める大学に巨額の補助金を与える教育改革から、英語を公用語とする英語特区の提案まで。日本社会を英語化する政策の暴走が始まった。英語化推進派のお題目は国際競争力の向上。しかし、それはまやかしだ。社会の第一線が英語化されれば、知的な活動を日本語で行ってきた中間層は没落し、格差が固定化。多数の国民が母国語で活躍してこそ国家と経済が発展するという現代政治学の最前線の分析と逆行する道を歩むことになるのだ。「愚民化」を強いられた国民はグローバル資本に仕える奴隷と化すのか。気鋭の政治学者が英語化政策の虚妄を撃つ!【各界の識者が絶賛!】●佐伯啓思(『さらば、資本主義』著者・京都大学名誉教授)公共精神を失ったグローバル・エリートが日本を破壊する。それが英語化だ。その欺瞞を本書は見事に暴き出した。●水野和夫(『資本主義の終焉と歴史の危機』著者・日本大学教授)日本の経済と民主主義を破壊する「英語化の大罪」を明らかにした力作。凄い本だ。●中野剛志(『TPP亡国論』著者・元京都大学大学院准教授)日本人が抱く直観的な不安に確かな根拠と論理を与えてくれる。これぞ名著。●白井 聡(『永続敗戦論』著者・京都精華大学専任講師)社会の根底から対米従属構造を強化するのが英語化だ。本書は、これと闘うための優れた『武器』である。【目次】はじめに/ 英語化は誰も望まない未来を連れてくる/第一章 日本を覆う「英語化」政策/第二章 グローバル化・英語化は歴史の必然なのか/第三章 「翻訳」と「土着化」がつくった近代日本/第四章 グローバル化・英語化は民主的なのか/第五章 英語偏重教育の黒幕、新自由主義者たちの思惑/第六章 英語化が破壊する日本の良さと強み/第七章 今後の日本の国づくりと世界秩序構想/おわりに ――「エリートの反逆」の時代に

目次

はじめに
英語化は誰も望まない未来を連れてくる
第一章 日本を覆う「英語化」政策
第二章 グローバル化・英語化は歴史の必然なのか
第三章 「翻訳」と「土着化」がつくった近代日本
第四章 グローバル化・英語化は民主的なのか
第五章 英語偏重教育の黒幕、新自由主義者たちの思惑
第六章 英語化が破壊する日本の良さと強み
第七章 今後の日本の国づくりと世界秩序構想
おわりに ――「エリートの反逆」の時代に

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

53
オール・イングリッシュ方式:日本語禁止。授業は英語のみ(21頁)。スーパーグローバル大学Aの世界レベルの教育研究と、英語で授業を行うことの間に関係性は見出せない(25頁)。モルレーは、教育とは、前世代までの伝統の蓄積に立って行われるべきものである。教育で用いる言語を変えてはならないという(73頁)。馬場辰猪(たつい)は英語化の罠を見抜いていた(78頁~)。穂積陳重も『法窓夜話』を著し、外国語を一切使用しない講義を目指し、日本語で授業を試みたという(84頁)。2016/07/12

ぷれば

46
タイトルは少々刺激的ではあるが、内容は非常に論理的かつ明解である。英語化を強力に推進する教育サイド、企業や英語特区の導入や提案など、日本社会を英語化する政策の暴走に警鐘をならしている。私自身も英語が得意だったら…と思うこともあり、早期英語教育など肯定的だったが、本書を読んで考えこんでしまった。母語軽視ともいえる英語化は、日本人が長い歴史の中で育んできたすべてを喪失する危険性に身震いする思い。良書であり必読書。2016/06/15

1959のコールマン

45
☆5。1990年12月発行の「英語支配の構造」から25年後、2015年7月22日発行。さあて日本はどうなったか?英語化が更に悪化してしまいました。なんと政府、財界が英語化=愚民化路線を驀進中。この本はその政策を止めるべく、英語化に関連する問題を全部出し。代案も提示(「棲み分け型の多文化共生世界」)しています。この一冊があれば英語化の問題点がすべてわかる優れた本。あ、ただ個人的には読みたい本が一気に増えて困った本。興味のある本ばかり紹介しやがってコノヤロ。まあ嬉しかったけど。(なんか評になっていない・・・)2019/11/22

Nobu A

41
施光恒著書初読。2015年初版。グローバル化に伴う英語教育推進の反対論は何冊も読んできたので今更感もあったが、他著に感興を誘う言及に手に取ってみた。偽りなし。政治学者の論考は他と一線を画し、英語の言語政策の歴史を紐解き、その影響を具に叙述。明治時代に関しては歴史学者さながら。初耳で勉強になった。他方、他国との関係性が親密になる国際化とは違い、グローバル化は世界が一つになる、つまりアメリカ化と同義。推進すること自体愚策だと日本は気付くべき。外国語学習の本質は母語を客観視出来、日本語を豊かにすることでもある。2021/10/25

姉勤

33
グローバリズムや東京オリンピックを控えての「オモテナシ」の名の下、昨今の官民揃った英語の常用化を図る動き。新自由主義というニア共産主義に日本が呑まれ隷属される危惧を説く。英語を習う時間があったら、非教科書的な酷虐たる人類史と国内外のシリアスな関係性、情報リテラシーに時間を割いたほうがいいとは思うが、英文を読み書きできることで広がる発信力を否定しきれるものでもない。かつて漢語を貪欲に取り込んだ日本人をバカにしすぎ。似非右派の扇動にも似て。 著者の理論で言えば英語しか使えない英米人が、一番バカなんじゃないか?2016/09/17

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