内容説明
「愛している」という言葉は、恋愛小説やドラマなどでは陳腐なぐらいよく使われるフレーズである。実際生活においても、私たちはこの言葉を、便利なものとして、さまざまな場合において使っているのではないだろうか? しかし、突き詰めて考えてみれば、「愛」とは、いったいどういうものなのか? このことは、古今東西の哲学者や作家たちが、それこそ大まじめに追及してきた、「人生における究極のテーマ」なのだ。私たちは、物事の価値観が揺れ動いている現代において、このテーマについていかなる考察をしておかなければならないのか。このような問題意識にたって書かれたのが、本書である。「男女の愛」から、より広い意味での「人間愛」にいたるまで、さまざまな角度から深く検証と考察を行い、読者の人生観や恋愛観、価値観にまで大きな揺さぶりをかけて行く。魅力にあふれた人生論である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅうと
17
いろいろな形の愛を考察しています。大学のレポートのような学術的な感じです。これによって、実生活に役に立つことは殆どありませんが、愛って何だ?と哲学的に考えたい人が読めば、答えが見つかるかもしれません。2021/05/01
haruaki
3
ひたすら愛について。愛について考えすぎたら何処にもたどり着けないと思っていたけど、なんだか愛の正体というか、なんと言ったらいいのかわからないけど、これなんだなというのが理解できた気がする。私が抱いていた感情は、愛ではなかったのかもしれないなぁと反省した。2016/06/07
Yoshiyuki Yamashita
2
再読。本書のハードカバー版も初版第1刷を発売日に購入して読んでいる。愛についてここまで論理的に考察した書は他に類を見ない。宗教,哲学,医学・心理学が語る「愛」を踏まえた上での著者独自の「愛の統合理論」が提示されている。副題の「私たちは,どこまで愛せばゆるされるのか」という難題に対しても,「愛の成熟適応理論」により,万人が納得できる解答が提示されている。前回読了してから今回読み直すまでの間に,私は最愛の妻を亡くした。そういう辛い経験を経た上で本書を読み直すと,以前にも増してより深く本書に共感できた。2015/01/12
しろくろ1212
2
ここまで愛を論理的に考えた本は確かにないでしょうね。多くの文献からの引用があり、(愛についての名言集)みたいな読み方をするのも面白い。ただ、やっぱり自分は愛は論理で考えるものじゃないかなとも思った(^_^;)2013/12/01
Seiei Ikeda
2
愛とは何か?どうしたら人や自身を愛することができるのか?この命題を求めていたときに買ってから数年たち、今回、やっと通して読むことができました。様々なジャンルからのアプローチ。愛を基本とした人間性の捉え方。本質的なところでは、ますます謎は深まったところがあるものの、いい意味で整理ができたように思います。