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内容説明
盛り場に、辻々に、縁日に、百万都市江戸を埋め尽くしたファストフード屋台から、てんぷら、すし、そばは生まれた。庶民の愛した江戸前の味、意外に質素な将軍の食卓、調味料や嗜好品がもたらした食の発展、初鰹狂奏曲、料理茶屋の番付や料理書が出版されるグルメブーム、そして究極の料理茶屋「八百善」――。多彩で華麗な江戸の食空間を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッキー
21
2018年読み初め。江戸時代のファストフード(てんぷら・すし・うなぎなど)の屋台はどういう層が利用していたのか、またどういう食べ物が売られていたのか?など気になることがたくさん。豆腐と抹茶の起源が中国だったことや、屋台を上級階層の人が利用するのはよくないとされていたことなどは初めて知った。本書を読むと無性に天ぷらが食べたくなる。2018/01/07
おMP夫人
18
江戸の食文化を扱った本なのですが、握りずしやてんぷらや醤油をはじめ、各職業層の食生活や江戸の水道事情、料理茶屋などなど扱う範囲は広く、気軽に読める程度に深いです。著者は食文化論と調理学が専門という事もあり士農工商を身分制度と誤解しているところはありますが、内容にはまったく影響はないので気になりません。時代小説を好む方にお勧めできる本だと思います。ストーリー以外にも楽しめる幅が広がるはずなので。食という面から江戸時代に接してみると、現代からそんなに遠い時代ではなかったのだなあ。と感じられて楽しめました。2013/02/18
rakim
11
捕物帖や市井人情物、郭話や長屋ドタバタ物語など江戸風俗小説は数多く読みますが、背景をちょっと知るのも面白いです。夜鳴きそばとか甘酒売り、棒手振の魚やとか屋台寿司、総菜屋など豊かな日本人の食生活の始まりが見えます。2017/03/20
蛭子戎
8
文化文政のころに形になっていく日本料理の成り立ちを買いた本。奈良平安から貴族武士階級僧侶市民と階層を分けて書いてくれているのでわかりやすい。最初に江戸時代の年号の西暦対照表があったりこの手の本は雑学的ないい加減な本が多いなか珍しいくらいにちゃんとした本。2018/07/03
もけうに
4
とても読み易く、ためになる上に面白い!今では気取った感のある日本料理も、元を辿れば現代のラーメン・ハンバーガー的な気楽な食だったと思うと親近感が湧く。現代でも、回転寿司・立ち食い蕎麦なんかに受け継がれているね。欲を言えば、当時の農民の食生活も知りたかった。2019/03/06