内容説明
人生の天才はいない。なぜか心に灯がともる、デビュー短篇集
余命わずかな役者の松田さんと遊び歩く脚本家の私。驚きの過去を知った時――オール讀物新人賞受賞作ほか、泣かされて暖まる五篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
133
どの短編も、ベタ的な要素がありますが、全短編、義理と人情が詰め込まれてて、さらに優しさも加わり読み終えた後は、自然と笑顔になっちゃいますね。長編良し、短編も良し!平岡陽明さん恐るべし!注目の作家さんです。2018/02/13
ポチ
56
6話の短編。全部良かったけど松田さんとマリーさんの話しがしみじみと心に染みました。失敗したっていいじゃないか、最期の時に笑えれば!と思いました。2018/01/28
pdango
53
★★★★★装丁から、なんとなくノンフィクションかと思ったら、表題作を含む短篇集でした。どれもこれも、すごく良かった。人生つまずかないに越したことないから足掻いてみるけど、どうしても避けられない時もあり、そういう時は覚悟して「上手につまずく」という発想もあるなぁと、この本を読んで思いました。2018/01/28
トラキチ
42
オール讀物新人賞を受賞した表題作を含む6編からなる短編集で初読み作家です。人間というものの奥深さをよく観察し丹念に描いているといった印象で文章も読みやすい作家さんです。 表題作とラストが登場人物も繋がっていて(脚本家の寺ちゃんが出ます)どちらも余命短い人と周囲の人との暖かい繋がりを描いていて感動的な作品となっています。この作家の只者ではないところはそれ以外の4編も読ませるところだと感じます。夢を見ることと現実を見ることの大切さを謳っています。 2017/02/13
アルピニア
41
六篇からなる短編集。義理と人情、そして少し哀切を含んだ物語。私のお気に入りは「松田さんの181日」と「浜えんぴつ燃ゆ」。松田さんも浜えんぴつの山本さんも役から言うと助演だが、淡々と、そして心を込めて生きてきた人だと感じる。ふと寺ちゃんは、平岡さん自身が投影されているのかなぁ・・などと思った。2018/06/10
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