内容説明
雑事と雑音の中で研ぎ澄まされる言葉。半自叙伝「一私小説書きの独語」(未完)を始め、2012年2月から2013年1月までに各誌紙へ寄稿の随筆を網羅した、平成の無頼作家の第3エッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だんぼ
256
優れた私小説の書き手は 皆このマイナス思考と自意識の強さを抱えています。が、ただ抱えるだけではなく その厄介さと正面から向き合ってもいます。この向き合いかたが自虐的であれ露悪的であれ 作者にとってはどこまでも本気のものであるからこそ 同じ辛さや生き難さを感じている人に或る種の共感を呼ぶのでしょう。「読売新聞 人生マイナス思考の主婦。日々が辛い私を助けてくれる本は?」2024/06/25
こうすけ
26
エッセイ集。やはり、映画『苦役列車』への罵詈雑言がたまらない、それでいて的を得ているようにも思える(映画もわるくはなかった)。未完の半生記が載っていて、小説と実人生との意図的なズラシが知れてよい。2024/07/12
澤水月
11
表題作は驚くほど芯を晒し「私小説とはノンフィクションと同義語ではない」。例えば実際の家族関係と貫多モノの違いをいいの?!てほど明かす…自身、途中でイカンと気づき連載中断し逃げた(微苦笑)ほどの内実。ある程度、著者創作読んだ後に必読の3冊目随筆。他はやる気ないAKB総選挙ルポ(!)や映画「苦役列車」罵倒、横溝映画愛などだが表題作はとにかく読む価値あり。2冊目随筆の文庫「小説にすがりつきたい夜もある(単行本『随筆集 一日』から、芥川報せ待つ「一日」抜いた再編)」の次著と分かり難いのは古書痴の意地か?読了3/62023/03/13
きょん
10
拘りと偏執を感じる氏の趣味嗜好だが、こんな人はもう二度と現れないだろうなあと早世が悔やまれる。生ぬるいお遊びのごとき幼稚な小説など対峙することすらできない威容を携えた作家だった。2024/04/13
ぽち
10
平成23年9月から平成25年1月1日までのエッセイを初出順に。他に横溝原作映画十本、自著あとがき。P.147 『日本の路地を旅する』解説2022/05/09
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