内容説明
『天下に小烏丸はただひと振り』藩主松平定信の一言から、白河藩の山本助十郎と絵師の林幹之助は、平家ゆかりの宝剣小烏丸の真贋吟味を命じられる。ふた振りある小烏丸のいずれが真物なのか――。その後、定信が編纂する古宝物図録集『集古十種』に収録する刀剣の調査のために、上方入りした二人は、粟田口則国が奉納された八幡宮で放火事件に遭遇する――。三条宗近、正宗など世に名高い名刀の消息を訪ねる二人旅が始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えぬ氏もわるよのぉ
6
刀剣を主題にしたミステリー時代劇。著者の刀剣知識はかなりのものでウンチク物としても楽しめるが、一つだけ疑問なところがある。白鞘に納まった刀のナカゴ(柄をはめる部分)を見るために柄を割るという描写が何度も出てくる。白鞘は刀身の保管用の拵で、確かに割ろうと思えば、糊で貼り合わせてあるだけなので可能だが、わざわざ割らなくても、柄は目釘を抜けば簡単に外すことができる。それどころか、白鞘には目釘がないとまで書いてる箇所も。あれだけ知識豊富な著者がなぜそんな基本的なところを勘違いしているのか理解に苦しむ。2021/02/18
魔風
2
さる藩の絵師と刀の保管係の二人が藩命を受けて様々な刀剣に関する話、今までで一番詰まらん2025/02/24
竜王五代の人
2
著者お得意の歴史蘊蓄もの。刀剣という、本来なら人殺しのためのものという実用も実用なものが、由緒・縁起の方が重視され現物はオマケみたいな流れに。松平定信の「集古十種」も結局はそちらの方向へ向けるものだろうしなぁ。2022/12/06
辺野錠
2
いつもの時代劇+ミステリーかと思ったら刀を巡る陰謀劇と言う印象。山田浅右衛門など実在人物が出て来るのが楽しい。蒲生君平って唐突に出て来て面喰ったが彼も実在人物なのね。そして刀剣乱舞の影響って時代小説も無縁じゃなかったのかと解説で思った。2017/05/03
ほにょこ
2
★★★☆☆ 漢字が多くて読みにくい。 すらすら読めないのであまり面白いとは思えませんでした。 2017/01/24