ちくま新書<br> ひらかれる建築 ──「民主化」の作法

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ちくま新書
ひらかれる建築 ──「民主化」の作法

  • 著者名:松村秀一【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2016/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069191

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内容説明

ケンチクとタテモノ──。近代的夢の象徴としてイメージされてきたケンチクと経済行為として営々と生産されてきたタテモノ。一九七〇年代半ばに「建築家」を志して以来、つねにそのあいだで葛藤してきたが……。二一世紀、局面は大きく変わった──。居住のための「箱」から暮らし生きるための「場」へ。私たちの周りに十分すぎるほど用意された「箱」は今、人と人をつなぎ、むすぶ共空間〈コモン〉を創造し、コミュニティとなる。これからあるべき「ひらかれる建築」の姿を、「民主化」をキーワードに、関わった「三つの世代」の特徴と変遷から描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

14
建築の民主化を三世代に分け、人々がより幸せで豊かな生活の場を作るために建築家は何をすべきか、その作法を明らかにする書です。著者はポストモダンの第二世代ですが、第一世代の技術(著者は「箱の技術」と言います。)を、第三世代が志向する「自身の生き方の場づくり」としての建築に利用する作法を提唱します。私は、建築家の書物を時折読みますが、その視点には、いつも目を見開かされます。本書からも、「圧倒的空間資源の可視化、利用の構想力」というキーワードをもらいました。これからの仕事のヒントにします。2017/09/09

浅香山三郎

13
タテモノやケンチクの分野に、専門家でない人々が主体性を発揮して参加していく過程を本書では「民主化」といふキーワードで捉へてゐる。その段階は、①建築の近代化=箱(住居)をあまねく供給すること、②「箱の産業」の民主化=住み手の多様化への対応、③賃貸を中心とした専門家以外の建築への参加、と分けられる。かうした過程で、タテモノの供給側(「箱の産業」)の対応がだうだつたかといふことを論じてゐるのが面白い。タテモノへのアプローチを通じ、②の時期に我々が普段目にする景観がだう作られたかが産業構造的に分かるのが興味深い。2017/02/14

11
住宅の生産方法とシステムと設計を通じて、今後の建築の在り方を提示していますが、少し掘り下げ方が甘い。コトバの定義があいまい、「民主化」と、非常に方便として使われやすいコトバを使うところなど残念、1章では意匠史になるので「近代化」と置き換えて読む。4~5章は、経験に基づく実体験からなので読みごたえがあるし、なんとなく時代が変わりつつあることを感じる2016/10/11

アメヲトコ

6
建築家の藝術としてのケンチクと、それ以外のタテモノとの乖離状況が埋められ、建築が人々へとひらかれていく過程について追ったもの。グロピウスからリノベーションスクールまで、20世紀以降の建築の「民主化」の過程が目配りよく紹介されて面白いです。ただ、本書の骨子となる「三つの世代」をはじめ、基本的な語句の定義が明確でないため、論として見ると若干曖昧な感じもします。このあたりは編集者にも問題ありでしょうか。2017/05/12

takao

2
ふむ2023/01/08

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