内容説明
十歳にして両親を亡くし、親戚に引きとられたメアリ。顔色も悪く愛想のない彼女を唯一楽しませたのは、ひっそりと隠された庭園だった。世話役のマーサの弟で、大自然のなかで育ったディコンに導かれ、庭園と同様にその存在が隠されていた、いとこのコリンとともに、メアリは庭の手入れを始めるのだが――。三人の子どもに訪れた、美しい奇蹟を描いた児童文学永遠の名作を新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
214
読んで進んで行くと英国、大邸宅、庭園と私のツボを押すキーワードを想像するだけで若葉の匂いがしてきそうだ。特にメアリが打ち捨てられていた庭園の扉を開けた時はすごく心地よい匂いがしただろうなぁと思った。そして、子供はやはり日光を浴びて自然と土と戯れていた方が心身ともに丈夫に健やかに育つという事をこの本は教えてくれているんじゃないかな。メアリの成長がもっと読みたかったけれど後半はいとこのコリンが主役になってしまっていたのが残念でした。 しかしながら私も庭園を持ってみたいなと感じさせる作品でした。無理だけどwww2019/03/18
ケイ
139
春の、緑が芽吹き、花で色付いてくるこの時期に、この本をすすめてくれた読友さんに感謝しながら読んだ。植物を育てる大切さ、動物との触れ合い、外の空気を吸って光を浴びて暮らすことの大切さが身にしみた。子供の頃に読まなくて良かったと思う。こんな秘密の花園を見つけに行きたくなって、でも全く不可能なことにとても悲しんだだろうから。そのくらい、胸に触れてくる作品。2017/03/29
アン
116
駒鳥の澄んだ歌声、新鮮な大地の香り、瑞々しいバラの若枝、クロッカスの芽吹き。インドからイギリスのムーアの端に建つ親戚の屋敷に引き取られたメアリ。偏屈で孤独な彼女でしたが神秘的な庭への古い鍵を見つけ、その庭が生き返ってほしいと心から願うように。森の妖精のようなディコン、両親の愛を知らず世界を閉ざされたコリン。自然と触れ合いながら成長する3人の様子が目に浮かびます。自分たちで道をひらく勇気と揺るぎない信頼が奇跡を…。彩り豊かな花々が息づく中、生きる喜びと安らぎの光を注いだ美しい魔法。それは優しさと純粋な愛。 2021/05/20
アキ
111
1911年イギリス生まれのフランシス・ホジソン・バーネットがアメリカに渡ってから書いた児童小説。評価が高まったのは20世紀後半かららしい。秘密の花園は、当初インドから両親の死に伴いヨークシャーに移り住んだ少女メアリーにより、動物の使い手ディコンの助けを得て作られた。その庭を訪れた屋敷の主の息子コリンが車椅子から遂に立ち上がって走り出す。子どもたちの交流と笑い、咲き乱れる花々と緑豊かな木々、駒鳥や烏、モグラなどの生き物と荒れ地ムーアの土が<魔法>を生み出す。生命力は仲間たちと自然から生まれるものなのです。2022/08/10
おっとっとっ
108
バーネット2冊目! セーラとはまた違う世界観で大好きな物語です(^^) 少女メアリはインドから叔父の家があるイギリスへ、そこで出会った個性的な仲間たちと秘密の花園 そして数々の出来事が少女メアリを成長させます! 個人的にメアリより二つ上のディコンが好きです(^ ^) 2022/06/03