内容説明
クリーニングに出したセーターの袖は千切れているし、給湯器は壊れてお湯が噴出するし、仕事はまったく思い通りに運ばない。「幸せの国」と言われるブータンだけど、現実には社会問題も山積みです。それでも彼らは、「これでいいのだ」と図太くかまえ、胸を張って笑っている――初代首相フェローとしてブータン政府に勤務した著者が、日本人にも伝えたい彼らの“幸せ力”とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
oldman獺祭魚翁
38
HONZで著者のあとがきを読んで購入 僕がこの国を知ったのは10代後半に探検家中尾佐助氏が記した「秘境ブータン」を読んだからだ。この国を語るとき外せないのはGNH(国民総幸福量)という考え方だろう。著者自身首相フェローという資格でGNH組織で働き、本書のの多くを「果たして国民は幸福なのか?」という考察に割いている。利他国との経済格差 急速な異文化の流入 それでも多くのブータン人が「この国は良い国だろう!」と胸を張って言えるのは「これでいいのだ」という考え方の為なのかもしれない。2016/12/11
ジュール リブレ
28
旅に出ると、紀行文が、読みたくなる。同じ場所でなくて良いんだけど、何か日常から離れた感じになるからかも。まだ見たこともないブータンという国で一年を過ごした御手洗さんのお話。自分の人生を自分で切り開いていく強さと、周りの出来事や人たちに対する視野の広さと温かさが素晴らしい。2017/07/17
はね
9
初代首相フェローとしてブータン政府で勤務した著者が、ブータンでの生活や同僚・友人たちとの会話を通して見知った「幸福の国」の現状や国民性などをとても読みやすく、わかりやすく書いている。写真も素敵。私は、自分を幸福だと思えるかどうかはその人次第だと思っているし、一種の才能であるとも思っているけれど、国民の多くがチベット仏教を信仰しているこの国では日本人に比べて「幸せゾーン」が格段に広い。最後のまとめの章が肯けること、参考にしたいと思うことが多かった。2016/11/19
犬養三千代
7
バカボンのパパみたい。これでいいのだ!ユルーい結婚、浮気あり、夜這いあり。勤務時間は9時~5時。約束は明日の昼頃までの話。時間感覚が全く違う。それでもかの国のエリートたちは世界に留学しリーダーとして牽引している。比べてはならない。旅行で一度は行きたい‼️2020/09/13
Hiroshi Shimizu
7
図書館本。 著者の文章は、謙虚で、楽しく、爽やかで、瑞々しく、読んでいていてとても楽しかった。 反面、「幸せの国」ブータンの実情(少なくとも民主化直後の2010年当時)は、僕にとっては全然好ましいものとは思えなかった。幸せ力は高いのだろうけど、失敗を悩んだりしない反面成長がないとか、怒られ慣れてないので本気で怒られるとびっくりして逆ギレしちゃうとか、物事が予定どおり進まないとか、とにかくイライラしそうw とはいえ、そんなブータン人から、日本人が学べることも相当あるのでしょうね。2016/08/31
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