内容説明
17歳の冬、著者は郷里の柏崎で田中角栄に出会う。やがて秘書になった彼女は、越山会など政治団体の統括責任者として三十余年にわたり、この「天才政治家」を支え続けた。行動的で人情厚く絶大な人気を誇った「庶民宰相」の栄光と挫折――。今なおその評価が論議される男の実像が、封印されていた日記から甦る。“女王”が書き遺した鎮魂の回想録。単行本に大幅な加筆を施した決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
88
政治家田中角栄を公私にわたり支え続けた佐藤昭さんの回想録。確かに角栄氏の側近の話なので全てを真に受けることはできないが、 紛れもなく戦後の大政治家に間違いないと思った。2018/06/15
うさみみ
10
家にあったので読んでみました。 田中角栄の秘書(愛人)視点から日記仕立てで田中角栄の動向が書かれています。 歴史としての出来事の裏話が書かれている点は面白いです。 ただ、ところどころで自分が愛人としていかに寵愛を受けていたか、いかに秘書として出来るかと自画自賛的なのが、どうかと思いました。 時代的に妾は普通だったのかもしれませんが、現代人の私としては腑に落ちないです。2020/06/13
risako
5
政治家・田中角栄を一番そばで見守っていた秘書、佐藤昭子さんによる角栄伝。角栄が公立小学校の教育こそ大事という信念のもと、公立小・中教員の給与を上げる法律を作ったこと、ロッキード社からの賄賂は絶対にもらっていないと昭子さんに断言したこと、角栄が天然資源に恵まれない日本のために「資源外交」を展開したことがアメリカの石油資本の“虎の尾”を踏むことになり、のちのロッキード事件につながったという説があること、日本の総理大臣が外国の企業から賄賂をもらっていたとなれば国の恥であり、2021/03/26
TomohikoYoshida
5
ロッキード事件から、田中角栄の周囲の裏切りが続く。 結局、政治家は権力闘争に明け暮れるのだろうか。 田中角栄は御人好しで、頼まれると断われないという弱い部分があったらしい。それが付け込まれる原因になったようだ。 高名な政治家の皆さんの意地汚ないところを赤裸々に記している。たとえそれを知っていたとしても、普通の人にはなかなかここまで書けない。よほどの覚悟であろう。2016/07/26
unpyou
4
土建屋の社長から立候補した最初期の田中角栄の秘書となり角栄を支え続け「淋しき越山会の女王」と呼ばれた佐藤昭による回想録。面白いのは夫と離婚し同郷の角栄の秘書になった出会いの頃から、総裁選辺りまでのエピソードで、同じ柏崎の出身である著者からのいわば越後目線に漂う土着感が、角栄との思い出をビビッドなものにしている。体験に基づく回想録であるぶんロッキードへの反論は主観的で説得性低。田中派の政治家たちによる新党ブームと政界再編が末尾に描かれ、嘆息と共に角栄の歴史的評価はこれからと結ばれるが、正にその通りだろう。2017/05/20
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