内容説明
澪湖(みおこ)は大学三年生。父の妹の和(やまと)を幼少の頃から母親より慕っていた。その叔母が、最近、どこかおかしい。叔母夫婦はようやく恵まれた愛娘を生後五カ月で亡くしていた。それで、精神に変調を来したのだろうか。大きな悲嘆が彼女を壊してしまったのか……澪湖の疑惑は深まるばかり。不安な彼女を支えてくれたのは、オタク青年木塚くんだった──独自の文体で、人格変容の恐怖を探る長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
47
題名どおり、切実な物語だと思いました。意味は違いますが、”もいちどあなたに あいたいな”って思う前に今の家族や仲間たちを大事にしたいです。2013/10/15
ミチュルル©️(たかはし みさお)
25
時の経過とは残酷で、この口語体が両刃の剣であることを改めて実感させられる。久々に手に取った読者は、懐かしさと同時に卒業を迫られたであろう。物語はすこぶる面白いだけに、切なさにおそわれる。それは、80年代歌謡曲を当時の衣装で現代のアイドルが歌うようだからだ。個人的意見を言えば、話す言葉は時代を象徴するのだから、口語体そのものも変化するべきだったと。例えば『というか』は『ていうか』が日常なのだ。些細なことかもしれないけれど、初読の読者なら気付いてしまうだろう。ただ、それでも、往年のファンはきっと見守ってゆく。2013/09/28
た〜
25
これはSFなのかな?結末はSF的ではあるけれど、話そのものをSFとして括るのはいささか抵抗があるな。登場人物はこの著者らしく良い感じ(?)で狂っているけれど話はいささか難解2013/03/02
ダージリン
20
懐かしい、ちょっと独特の文体。たまにくどく感じるけど、読み始めれば気にならない(笑)。狂気をはらんだ話だったらどうしようと思っていたのですが、大丈夫です。むしろ私的にはSFジュブナイルに分類される話でした(笑)。オタク青年木塚くんが好き~。2013/03/11
Yu。
19
凝ってるね。。。にしてもここまで広げるかぁ…。愛娘を亡くした叔母の微妙な変化に注目する姪(主人公)と身内の視点から描かれる物語で、見る角度によって受け止め方も様々と、共感性に富んだ人間ドラマにSF要素を絡めてくるというサプライズ。というように、終盤までの心情的見方をガラリと変えてしまう展開がもう凄いに尽きる一冊でそのタイトルがとても意味深い。2015/02/15
-
- 電子書籍
- 赤い涙 マルチタスクVol.1
-
- 電子書籍
- カイカンドウキ【単話】(63) 夜サン…
-
- 電子書籍
- 月刊ビッグガンガン 2021 Vol.…
-
- 電子書籍
- ホニュウ類ヒト科オヤジ目 1巻 まんが…
-
- 電子書籍
- 週刊ダイヤモンド 03年5月31日号 …