父よ、ロング・グッドバイ ―男の介護日誌

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父よ、ロング・グッドバイ ―男の介護日誌

  • 著者名:盛田隆二【著】
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • 双葉社(2016/11発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575311266

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内容説明

〈少しずつ記憶を失くし、ゆっくりゆっくり遠ざかっていく〉認知症を、アメリカでは「ロング・グッドバイ」と表現するそうです。「ぴあ」を退職し専業作家となった盛田氏は、母を亡くした後、父の異変に気づきますが、同時に体調を崩した実妹のサポートも始めます。作家としての時間も失われ始め、「先が見えない」つらさの中、徐々に追い詰められていきます。本書は、息子が父を介護した日々を綴ったノンフィクション。10年後、65歳以上の5人に1人が認知症になると言われる今、何を覚悟し、ゆっくり確実に迫る死と対峙すべきかを教えてくれます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

91
 作家・盛田氏が父と妹、そして奥様へとつづく〈男の介護〉を名文で綴った手記。あまりに壮絶な内容に、後半何度も辛くなったが、先が気になって本を閉じることができなかった。母の没後、専業作家になった後に訪れた父と妹の同時介護生活。老衰で亡くなるまでの9年間、献身的に尽くす著者には只々頭がさがります。施設で盗み見した父の日記。「いぬいさん(註:担当介護士)大好き」の一行は、子供に戻ったお父さんの純粋な心で嬉し涙がでた。読了して著者の家族への優しい思い遣りに、まだ目頭に熱いものが残っています。本当に読んでよかった。2016/09/02

ぶんこ

52
あれ、読んでる。と思ったら「二人静」を先に読んでいて、介護士の乾さんとの恋愛物語だけがフィクションだったようです。改めて感じたのは著者が利用した「老健」は特殊。普通は看取りもしなければ、長期間の入居も出来ず、3ヶ月の間に家族は受け入れ先を探して走り回り地獄です。その経験をせずに済んだのは幸いだったと思います。あと、ケアマネさんと半年ぶりに会ったと書かれてましたが、担当ケアマネは1ヶ月に最低でも1回は面会する義務があるはずなので不思議でした。気になる点はありましたが、著者は頑張られたと感動しています。2016/09/14

aloha0307

22
妻を亡くして生きる気力を亡くし10年 その間、緩やかに、でも確実に認知症へ...わが父の状況と同じじゃないか...独居に拘り外出しないし、介護サービスも拒否 趣味に興味を喪失していく過程 昔はあれだけ身なりに気配りしてたのに今は年中ジャージ 親戚との断絶 息子・男同士の弾まない会話etc ほんとうに身につまされる思いです。盛田さん、よくここまでもご家庭の事情を綴っていただきました。己も下腹に力入れてがんばっていかなくてはいけません...2019/01/12

チェアー

22
なんとも切ない。親を怒鳴りつけたくなるくらい憎らしく思うときもあれば、可哀想だったなと思うこともある。強かった親が弱くなっていき、自分に頼らざるをえなくなっていく。自分を支配していた人間が、自分の支配下に入り、しかし思い通りにならない。その葛藤とかもやもやした気持ちが介護の一側面なのかもしれない。寄り添いすぎると、自分がやられる危険もはらむ。つらいが、目を離してはいけない。いや、当事者はつらいのに目を離すことなんてできないのだ。だから、それを読むことがまたつらいのだ。2016/06/22

❧nao❧

20
中島京子さんの「長いお別れ」で、認知症の少しずつ記憶を失くし、ゆっくりゆっくり遠ざかっていくさまを、「長いお別れ」「ロング・グッドバイ」と呼ぶと知り、この本も手に取ってみました。こちらはノンフィクションであり、父親だけでなく妹さんの介護も加わり、読むのも覚悟がいるものでした。両親の介護生活も3年目にはいり、日々新たに起こる問題を解決するのと同時に、最期に向かう心構えもいるのだと教えられた思いです。迷ったけど、読んで良かった。2016/10/05

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