内容説明
村から離れて住む一家の邸宅にとつぜん二人の男が侵入し、両親とその娘を邸内に拘禁する。男たちはその目的を明らかにしないまま、自由を奪った家族をじわじわといたぶってゆく。恐怖と絶望に支配される一家に救いの手はないのか? だが逃げ出した一家の飼い犬が、偶然にもキャフェリー警部のもとへ行き着いた。ウォーキングマンの示唆を受けたキャフェリーは、手がかりもないまま飼い主を探しはじめる。雲をつかむような捜索は、はたして一家を救えるか? 「サスペンスの新女王」が放つ、緊迫感あふれる最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
93
また監禁虐待ものだ。最近本当に多い。別荘というのはホームとアウェイの中間だな。発見が遅れる可能性が高い。愛されなかった人間の恨みは恐ろしい。特に愛情の競争相手に完敗した場合には。ルシアはアラサーなのに、ほとんど十代で精神的成長は止まっているね。キャフェリーに突きつけられた恐ろしい真実。彼は立ち直れるだろうか。原題は単純にウルフなのに、どうして訳題に虎の字がつく?2017/03/24
のぶ
71
とても濃密なサスペンス小説だった。人里離れた家に住む老夫婦と、娘の一家に二人の男が侵入して、拘束する事件が発生する。解決にあたる警察とのやり取りが閉鎖的で、舞台劇を見ているような気分にさせられる。描写に余分なものをそぎ落としているので、遊びがなく、読んでいてとても緊張する。だが、この手の作品としての出来は良く出来ていて、過去に読んだモー・ヘイダーの「喪失」や「人形」から通じているものを感じた。英国ミステリーとして、ミネット・ウォルターズと雰囲気が似ているとも思った。2017/01/21
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
36
田舎の館にいた3人家族が、得体のしれない男2人に監禁されじわじわとなぶられる。こ、これはファニーゲーム?あの怖くて予告編ですら見られなかったあの映画のパターンなのか?いやだないやだなと読んでいくうちに、刑事がひとり遠くから捜査を始める。そしてファニーゲームにしては、複雑な事情があるらしいふたり組。怯える家族。真実はそれぞれ辛くていやなラストだけど、ウォーキングマンという宿無しの男が言う、真実をおそれるな、の言葉。真実は時に見たくもないものであるが、真実を知らないままでも苦しみは続くのである。2018/04/17
ロア
31
装丁とタイトルに惹かれて手に取った本書。いやもう凄かった!!読んでるあいだ中ずっと、胃や腸を手で捻られ締め付けられてる感じでした( ;´Д`)イテテテ 作者は初読みの英国人女性で「サスペンスの新女王」と称されるモー・ ヘイダー。著者近影写真から独特のオーラが放たれてますけど、鷲掴みしてるのは。。。おじさん型トロフィー?謎は深まるばかりです(;。・`ω・。) 2017/02/02
ほちょこ
28
あぁなんというこよでしょう!!途中でダラけて、何度も挫折しかかったのに、後半の急展開。どんどんスピードを増して転がり落ちていく(まさに落ちていく、という表現がぴったりな)その速さに、読後、放心してしまう。モー・ヘイダー、男だと思ってたぞ。2017/02/28
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