内容説明
個人所有の日本庭園の数が限られ、そこを手入れする仕事も激減するなかで、職人本来の心意気や技術を伝えられる場も少なくなっています。
確かな技術を身に付けている先輩がおらず、若い人たちだけでこなす現場も増えているようです。
現場の機械化や効率化が進み、庭師の本来あるべき姿や仕事のやり方は忘れられがちです。
昔堅気の粋な職人のワザと堅実な技術を持ち、後輩に的確な指導ができる庭師(植木屋、造園屋さん)は確実に高齢化しており、
“今私たちが次世代へ、先代から教えてもらった貴重な庭づくりのワザを伝えなければ、ここで途絶えてしまう”という危機感を持っています。
――そんな貴重な先達のひとりである著者は、日々の仕事のやり方を精緻な手描きの図でコツコツと描きためてきました。
本書はその図と職人ならではの技術を無駄のない文章で語った解説で、
職人の身だしなみから樹木の剪定、結び、石打ちまで、庭づくりに必要な技術のひとつひとつを一冊にまとめました。
目次
1章 庭の作例
2章 植栽
3章 三又
4章 石
5章 担ぎ
6章 結び
7章 ぼっち
8章 庭木の手入れ
9章 作例の解説と透視図の描き方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
7
結びは大変参考になりました。2019/07/07
葉
3
この本を読んでから改めて自宅の庭を見てみると、素人である家族が植えた木が、いかにただ何も考えずに植えただけであるかが、よく分かった。たまに来てくださる庭師さんが言っていたのは、こういうことだったのか、と。 今は庭師さんに教わって庭木を切り始めたが、頼ってばかりもいられないので、自分でこの本を参考にして、庭に命を吹き込めるようになりたい。 2016/10/09
しまめじ
3
庭師の技術やものの見方を、作者自らの挿絵画家で指南する本。この挿絵がものすごく上手くて、それを見ているだけでも凄く面白いです。素人が読んでも勉強になるし、参考になるところはとても多い。庭木の経年変化を見越した手入れや鋏の使い方はすぐにも実践してみたい内容でした。庭の平面図から立体図を書き起こす所は、園芸は工業分野なんだなーって事を実感した次第です。2015/10/14
緑のたぬき
2
イラストがきれいで読みやすい。庭師としての作業手順や配慮すべき点が簡潔にまとめられている。庭の構図をどう作るかというデザインまで書かれているので参考になる。2019/12/03
インテリ金ちゃん
2
剪定は、感性でするのかと思っていたけど結構論理的。2016/04/09