内容説明
赤羽・立石・西荻窪──。古き良き呑み屋街にはそれぞれの歴史がある。アメリカ生まれの著者が酒のグラスの向こうに見たのは、闇市のにぎわう猥雑でエネルギッシュな東京の姿だ。歴史探索とはしご酒という二重の“フィールドワーク”を敢行し、居酒屋文化に頭脳と肝臓で切り込んだ渾身のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
30
この人の語り口がいい。飲酒はしないが、飲み屋文化は、好きだ。飲まない人にもこういうものがあるといいのに。2017/04/04
ドナルド@灯れ松明の火
28
平松洋子さんの「本の花」で紹介さたマイク・モラスキーって誰だ、と思ったが、読んでよかった!米国人で一橋大や早稲田大で教鞭を取った著者の居酒屋を通して戦後の日本の考察が素晴らしい。世にある居酒屋紹介本とは明らかに一線を画す考察や居酒屋に留まらない酒にまつわる日本の文化を丁寧に調査・分析するその姿勢に頭が下がる。戦後の混沌とした世情と米軍の娯楽のために選ばれた土地とその形態が、数少なくなってはいるが今も残る居酒屋に感じられる。日本人なら当たり前で気にも留めない事が外国人の目から語られる素晴らしい良書!お薦め 2020/04/09
nyanlay
12
モラさんの著書二冊目。単なる居酒屋の紹介だけでなく、その街の歴史文化がちょうど良く紹介されていて、興味深い。実際、長く東京に住んでいる私何かは足元にも及ばない。探求心が強いですね。私が判る街はほとんどなかったけれど、溝の口の商店街だけは、通ったことがあるくらい。また国立の件でマダムたちの会話で「そう」を7回繰り返した、との場面には思わず笑ってしまいました。2016/09/24
あつ子🐈⬛
10
東京居酒屋ガイドブックではなく、酒と食のエッセイではなく、異郷に生きる外国生まれの方が綴った不思議の国ニッポン論でもない。しかし、その全てでもありました。いや、素晴らしかった。何より文章が愉快。そして、昭和"な"雰囲気の日本を、惜しむように愛してくれていたのだなと。 大好きな作品が、また一冊増えました。2020/12/28
イソテルス
8
著者は居酒屋を楽しみながら、冷静な目で店の魅力がどこにあるのか分析している。特異な立地や、客と店、客同士のつながりとそれに影響を与えるレイアウトや広さ。周りの街並みや通りの雰囲気。食事云々よりもこうした描写が多いのは読んでいて面白い。著者は気に入った店には何度も行って常連と仲良くするなど、かなり深く長く居酒屋ライフに浸かっており醸成された居酒屋観も熱い。2016/10/08
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