内容説明
「憲法は〈国のかたち〉を表現している」「〈国のかたち〉は、改憲しても変わらないこともあれば、改憲しなくても変わってしまうこともある」―― 27回の改正を経てきたアメリカ合衆国憲法の歴史から、「立憲主義」の意外な奥深さが見えてくる。「憲法改正」「解釈改憲」をめぐる日本人の硬直した憲法観を解きほぐす快著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sk
4
アメリカ改憲史の本。アメリカは設立以来27回憲法を改正しているし、解釈による憲法の拡大適用なども行われてきた。日本の改憲論争を考える上で重要な資料になると思う。2016/08/19
Haruka Fukuhara
3
わかりやすくいい本だった気がする。アメリカの歴史の一側面が概観できた。2017/05/16
Meistersinger
3
かなり詳細な米国憲法史が描かれているが、第10章の日本は何を学ぶべきかが要点。状況の変化を考えれば、解釈か改定かは別にして改憲は不可避。崇拝ではなく、尊重しつつ変えていくことが重要だろう。憲法も国家国民の利益を実現するための「道具」に過ぎない。2016/10/07
Akio Kudo
2
★★★ もう少し分かりやすく書いて欲しいとは思うが、憲法改正が国家の威信と命運をかけたものだと気付かされる。安倍首相にそこまでの覚悟はあるのだろうか?2019/07/23
鍵窪錠太郎
2
中々ハードな一冊だった。合衆国憲法の改憲史を踏まえた上で最後に著者が日本国憲法を巡る議論の感想を述べるという内容であるが、合衆国憲法の影響を受けた日本国憲法を考える上では大いに参考になるように思える。解釈改憲は過去にも行われているのに何故今更問題にするのか、改憲しないorするor全面改正する、国際的な観点、改憲を巡る党派性など、大いに興味深く、数年前の議論に感じていた違和感の正体に納得。合衆国憲法を巡る(行為、運用、判例などの実績の)正当性の話を頭に入れた上で、日本国憲法を見て見た方が良いのでは?2016/10/30