内容説明
なぜ文明は衰亡してしまうのか? 繁栄の中に隠された失敗の本質とは? 古代の巨大帝国ローマ、中世の通商国家ヴェネツィア、そして現代の超大国アメリカ……栄華を極めた強国が衰退する過程を詳しく検証、その驚くべき共通項を洞察する。人類の栄光と挫折のドラマを描く、日本人必読の史的文明論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
62
【TP1401】こういう本は初めて読んだ。あまり予備知識がなくても読み進められる。ローマ、べネチアが如何にして衰亡していったか。今のアメリカが如何に危うい状況か。そして最後に日本・・・ 時代は違えど、経済問題が関与していたとしたら、いつの時代も同じことを繰り返しているのかもしれない。 著者は、いずれの衰亡も不可避のものだったのではないかという。そうなると、我々としてもノホホンとはしていられないのだが・・・『この構造物は、それ自身の重みに圧せられて潰えた』2018/08/09
Gotoran
39
国際政治学の雄(著者)が、世界史で栄華を極めた強国が何故衰亡したのか、様々な衰亡論を紐解き、その原因を探り、日本の行く末にも論考が及ぶ。巨大なローマ帝国の崩壊する過程、中世の通商国家ヴェネツィアの興亡を様々な要因(内部制度の疲弊、人々の意識の変化、外圧、気候変動、国家間の力関係、経済的な破綻等々)から検証し、膨張し続ける超大国アメリカにも衰亡の兆しが見られると。 本書はまさに“歴史に学ぶ”を地で行く良書に他ならない。2014/02/05
fseigojp
28
ほとんど本を読まなかった父だが本書だけは別だった。高松の割烹で高坂先生に偶然お会いしたとき、本書にサインをもらったと嬉しそうに語っていた。健全保守の論客。2016/03/18
TS10
22
ローマ帝国とヴェネツィア、現代アメリカの衰亡の歴史を辿る。ギボンの「繁栄は衰亡の本質を成熟せしめた」という言葉に表される衰亡の運命への感覚と、それでも尚、工夫によってそれに抗うことも出来るとの歴史的知恵が感じられる。文明の興隆を可能にした自然、社会状況は時を経て変化せざるを得ないものだが、そうした環境に強く依存してきた通商国家は次第に変革に疲れ、遂には滅びる。しかし、人間の知恵と意志によって適応を試み、運命を先延ばしにすることは可能である。そこに目を向けさせることにこそ、衰亡論の効能があるのだろう。2024/05/12
masabi
22
大きな大国ローマと小さな大国ヴェネチア、それとパラレルにアメリカと日本を扱う。経済的政治的変化と併せてエリート、市民の徳の変化が国家の情勢に対応する能力を失わせる。情勢に合わせることができなければ大国たる地位を譲らなければならない。特に日本は通商国家であり、その発展は外部環境に大きく依存している。戦後は冷戦とアメリカの庇護が発展の要因で、国際関係の変化は新たな環境に突入しているのでもはや冷戦下の枠組みは当てはまらない。繁栄に衰退の種子が埋め込まれている。2016/01/02
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