九龍城探訪

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九龍城探訪

  • ISBN:9784872574234

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内容説明

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九龍城ファンの間で伝説的な写真集「City of Darkness」の日本語版─在りし日の九龍城が蘇る──


魔窟と呼ばれ、惜しまれつつも1993年に撤去されてしまった“City of Darkness”こと九龍城。

九龍城は、大都市香港の中心に紛れもなく存在した。
ここでは法律は適用されず、警察官も立ち入ることができなかったため、文字通りの「無法地帯」であった。
「一度入ると二度と出られない」などといった数々の都市伝説を持ち、多くの人間を魅了しながらも、外部の人間の侵入を拒み続けたため、その内部での生活について語られたことはほとんどない。
その九龍城はどのように生まれたのか?住民たちがこれほど過酷な環境で生活できたのはなぜだったのか? 取り壊しを前にした生活者たちのありのままの姿、さらに九龍城の歴史を収めた本書は、もはや存在しないこの特異なコミュニティを浮き彫りにした、比類なきドキュメンタリーである。

全盛期の九龍城内部を取材した唯一の書籍であり、生活者のインタビュー、内部および外観写真、九龍城が完成に至るまでの歴史などで構成された九龍城ファン必携の写真集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

60
香港返還時に取り壊された、世界随一の巨大高層スラムだった九龍城の写真集。27,000平米の区画に350棟の高層ビルが密集し、33,000人が生活していた。英国も中国も管理できず「亜細亜の混沌」を具現化した場所になっていて、その写真に圧倒される。現代都市計画研究による再開発都市の洗練された風景よりも、無秩序の極地として現れた九龍城の写真の方が美しいのはなぜなんだろう。現代の一流建築家が巨大資本や行政と手を結んでもできなかった「生命を宿して自立する都市」が奇跡的に成立していたからなんだろうな。2024/03/16

メタボン

36
☆☆☆☆ 九龍城には悪の巣窟のスラムというイメージを抱いていたが、住人にとっては意外と住みやすく愛着のある場所だったことがわかった。ただやはり衛生的には劣悪な環境だし、きれいな水を手に入れるのは大変だったようだ。丹念な取材により住人の生活が垣間見えたのが良かった。「クーロンズゲート」というゲームがあったが、あれは混沌として迷宮そのものだったな。2021/03/22

りー

34
非常に良い。非常に良い。写真も多いし九龍城に生きた人たちの声も、それこそ住人や担当の警察、元麻薬中毒者まで多岐にわたって収録されていて読み物としても満足のいく一冊だった。ただ製本が甘いので背割れしやすいのが難点。あまり開かないで読むことをおすすめする。2015/06/15

姉勤

33
かつて魔窟と呼ばれた、違法増設アパート群。香港返還前に取り壊しが決まった直前の1990年代の写真と取材。全てがスラム的猥雑な建物や住人ではなく、日本の団地のような一般的住人、医者や理髪、精肉加工や菓子などの、手工業的工場、はては教会が区画され共存していた。歴史もたどることができ、田園風景のなかの城郭、日本軍の占領による城の解体などを経て、労働力受け入れ施設が、やがてキャパに耐えきれずにツギハギのような住居群に変質した。今は公園と化した現地。 アンテナが林立する屋上で遊んでいた子供達はどうしているのかな。2015/11/15

紫陽花と雨

20
九龍住民へのインタビューとカラー写真は、独特の暗さと湿り気を浮き彫りにしてまさしく「魔窟」だと感じる。あっけらかんと語る人々にはあまり暗さを感じない。製麺、飴製造、魚肉加工、漢方医、歯医者、ゴム製造、商店主などなど。皆が口々に言うのは「そんなに怖い場所じゃなかったよ」そうかな…?暮らした人ではないけれど、九龍担当の郵便配達人が、あの中を把握して配達してたことには驚いた。およそ33000人が暮らした、今はもう存在しない場所に想いを馳せる。豚肉の加工場がカラーでどーんと出てるので苦手な方はご注意ください。2025/05/31

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