内容説明
新たな雇い主の依頼を受け、移動しようとしたアード=ケナード隊からダルウィンが消えた。
シャリースは契約と友情の狭間で惑い悩み――
有能で逞しい傭兵たちと白狼が挑む最後の事件!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀧ながれ
39
バンダル・アード=ケナードは、シャリースを芯においたファミリーみたいなもので、誰が欠けたってみんな辛いと思うけど、シャリースの相棒というべきダルウィンの生死不明状態は、特別に深刻なダメージを与えるのだなあ。へこたれているシャリースに、気持ちを寄せる隊員たちがあたたかい。とくにエルディル。動物って、弱ってるニンゲンに優しいのね。ダルウィンらしき男の目撃情報に、ダルウィンに違いないエピソードがくっついたとき、思わず笑って乾杯したメイスレイたちに、わたしも杯を合わせたかったです。チェイスとライルもよく働いた!2016/09/29
ダージリン
34
レーベルは変わりましたが続きが出たので、積んでた本をいそいそと読む(笑)。懐かしい顔ぶれ、シャリーズは変わらず格好いい! ダルウィンの行方不明にヒヤッとしました。公私混同しないよう動揺をおさえつつ、的確な指示出すシャリーズ。でも胸のうちを思うと…。(積んでたけど)読めて良かったです♪2018/06/16
まぁち
19
シリーズ10冊目。第6話。 ダルウィンの失踪で暗雲が垂れ込める“バンダル・アード=ケナード”。隊長・シャリースの幼なじみであり、隊の料理人であり、ムードメーカーでもある彼の不在は思った以上に大きい。いつでも陽気で不屈だった隊員たちの顔色が変わり、読んでいるこちらにも「まさか…」という思いを抱かせる。唯一そんな不安を和らげてくれたのが、白い狼のエルディル。意気消沈のシャリースに寄り添う姿に今回もやられた…可愛すぎる…大きい犬が欲しくなった。 出版社が変わるようだけど、次も楽しみに待っています。2017/04/17
詩歌
19
カバーにある作者のコメントを読んでから、本編に入るのをお勧めします。腹ぺこ要員チェイス「ダルウィンが連れて行ったのなら、あの子はきっと、うまいものをたらふく食ってる」とか羨みながら美味しいできたてパンにありついてるじゃないの。シャリースのへたれオヤジぴしりが効いています。私の分もやっといて。バンダル・アード=ケナードに、一度学童保育を依頼があったら私得。子育てするおじ様は萌え要素です!2017/02/18
すがはら
16
ダルウィンが人知れずトラブルに巻き込まれて行方知れずになる中、バンダルの仲間たちは気に掛けつつも依頼をこなしていくことに。ダルウィンの死を示す証拠に心の中で否定と諦めがせめぎ合うあたり、胸が苦しくなりました。常に戦争が近くにあり命の軽さが辛い。親しく言葉を交わした仲でも敵兵は殺す対象で、そこに揺らぎはないのも厳しさを感じます。命懸けですものね。殺伐とした戦場なのにバンダルの中は暖かくて家族のようで、まだまだ読んでいきたくなります。2023/01/09