内容説明
洋画家の僕は、「センセイ」と呼んで敬愛する十歳年上のイラストレーター辻井秋一とその妻洋子のふたりを、同時に愛してしまった。愛し合うこと、騙し合うことを繰り返し、からみ合う人間関係の終着駅はどこなのか? 現代の恋愛の先端を、スリリングな展開と抒情味豊かな筆で描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るか
10
★★☆☆☆連城三紀彦史上最大の問題作、らしい。事実と嘘、本当は誰が誰なのかさえ分からない。混乱しすぎて斜め読みしてしまった章もあり、感想がまとまらない。メタフィクションが好きな人はハマるかも。2016/12/28
ハルオ
4
僕は一体何を見せられているんだ???の気持ちになりながらもなんとか読み切った一冊。連城氏の作品は少しずつ読んでいこうと思っていた所偶然手に取って面白そうだななんて開いてみたのだけど。途中いろんなものがこんがらがりすぎて読み終わってからも全然ストンときてはいないのだけど。センセイのような男がモテてしまうっていうのはなんとなくわかるような気もする。2020/08/16
浅木原
4
いやはやなんだこれ。連城作品を形成する嘘と演技の応酬にメタフィクションを導入することで作者本人と小説自体、雑誌連載という形式そのものさえもその中に取り込んでしまう異形の作。作者自身と周囲の人物をモデルにした暴露小説の体裁が持つ内輪ネタ感をメタフィクションのフィルターに通すことで一周回ってこの小説の存在意義そのものをミステリーとしての異様なホワイダニットに着地させるというわけのわからぬ豪腕に唖然のち爆笑。どう考えても失敗作なのに失敗作として完璧に成功している。連城恋愛ミステリの極北に位置する異様な怪作。2014/07/15
tachibana
3
物語は媒体によって変化するもので,本作を連載小説として読めていれば迷うことなく傑作だと言えたのに.2018/10/26
浅木原
2
『一瞬の虹』で「やっぱりセンセイって荒井晴彦じゃねーか!」と思って慌てて再読したんだけど、初読時11章の謎解きのインパクトが強すぎてその後の肝心な部分がいくつか記憶から抜け落ちてたことに気付いた。あぶない。読者にもわかる事実関係をふまえればラストは僕=連城三紀彦とすると明らかにフィクションであるわけで、つまるところそれが最終回のための最大のどんでん返しであり、結論としては11章の謎解きに集約されるんだろうけど、いやしかし……うおおお(ぐるぐる目)。だめだこの小説について考えるとあたまがおかしくなってしぬ。2014/10/21
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