岩波新書<br> 科学者と戦争

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紙書籍版価格 ¥842
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岩波新書
科学者と戦争

  • 著者名:池内了
  • 価格 ¥842(本体¥780)
  • 岩波書店(2016/11発売)
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内容説明

軍事研究との訣別を誓ったはずの日本で,軍学共同が急速に進んでいる.悲惨な結果をもたらした歴史への反省を忘れ,科学者はいったい何を考えているのか.「科学は両義的」「戦争は発明の母」「国への協力は世界標準」などの「論理」を批判.科学者は戦争への応用に毅然として反対し,真の社会的責任を果たすべきである.

目次

目  次

 はじめに──軍学共同が急進展する日本

 第1章 科学者はなぜ軍事研究に従うのか
  1 科学者の愛国
   道を外れる科学者/戦争と科学/アルキメデスの才能/揺籃期の科学者/科学は国の力の源/組織的動員/第一次世界大戦とハーバー/第二次世界大戦とプロジェクト研究/戦時下の科学者の態度/ジェイソン組織/darpa方式
  2 日本の科学者の戦争協力
   富国強兵とお雇い外国人/研究体制の強化/戦時中の科学動員/原爆とレーダーと
  3 ナチス・ドイツの物理学者たち
   科学技術をテコに/第一次世界大戦が始まると/ 「悪法も法」である──プランク/科学至上主義──ハイゼンベルグ/日和見主義的科学主義──デバイ/三者三様の意識
 第2章 科学者の戦争放棄のその後
  1 戦後の平和路線とその躓き
   日本学術会議の決意表明/新たな戦争の影/米軍資金問題/平和路線とそれへの反論/大学改革の中で/拡大する米軍の資金援助
  2 軍と学の接近
   防衛省の技術交流事業/ 「交流」の発展/技術協定の内容/防衛省の競争的研究資金──安全保障技術研究推進制度/民生応用という建前/成果の公開──原則から可能へ/募集テーマと応募理由/採択研究テーマ/宇宙の軍事化の始まり/宇宙の軍事化の進展/海も軍事化/イノベーションのための軍学共同/革新的研究求む/軍産学複合体への道/文科省と経産省の対応
  3 防衛省の軍学共同戦略
   防衛生産・技術基盤戦略/学といかに連携するか/共同研究の進め方
  4 科学技術基本計画
    「選択と集中」の弊害/イノベーションのための科学技術?
 第3章 デュアルユース問題を考える
  1 デュアルユースとは 
   デュアルユース問題の考え方/祖国防衛のために
  2 ゆらぐ大学の研究ガイドライン
   不思議な新聞報道/ガイドラインの改訂/非公開の壁/東大総長による「フォロー」
  3 テロとデュアルユース問題
   炭疽菌とインフルエンザ・ウイルス/日本学術会議の「行動規範」/日本学術振興会の「心得」
  4 日本の科学者の意識
   研究者へのアンケート/研究者版経済的徴兵制/防衛目的なら許されるか/民生利用は口実となるか/科学至上主義/国家の要請には従うべきか/安全・安心のためのモノユース/デュアルユース問題と科学者の社会的責任
 第4章 軍事化した科学の末路
  1 科学者は単純である
   そもそも、科学者とはどのような人間なのだろうか?/研究室の外では科学的でない
  2 軍事研究の「魅力」
    「世界初」の魔力/軍からの潤沢な研究資金/軍事予算と研究の自由
  3 軍事研究の空しさ
   日陰の研究者/虚しい研究/オッペンハイマーの場合/軍事技術の限界/超兵器?
  4 軍事研究は科学を発展させるのか?
   戦争は発明の母か/戦争は必要か/スピンオフとは
 おわりに──「人格なき科学」に陥らないために
    「センター・オブ・イノベーション」/軍学共同への傾斜/軍事化を受け入れる論理/科学による破滅を避けるために/社会に責任を持つ科学者
   参考文献
   あとがき
   年 表