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内容説明
漱石の小説はおおかた読んでいるという人も,評論や講演となると十分目がとどきかねるのが実情ではあるまいか.本書は講演記録『文芸の哲学的基礎』『創作家の態度』などを主軸として,他に評論文・談話・初期の文章から文芸論にかかわる作品を選んで編成したもの.ここに尖鋭勁強な理論家としての漱石像がくっきりと浮かびあがる.
目次
目 次
『文学論』序
『文学論』第三篇 第二章(抄)
文芸の哲学的基礎
創作家の態度(抄)
写 生 文
文芸とヒロイック
艇長の遺書と中佐の詩
文展と芸術(抄)
坪内博士と『ハムレット』
道楽と職業
予の愛読書
「余が文章に裨益せし書籍」
戦後文界の趨勢
夏目漱石氏文学談
文学談
余が『草枕』
「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」
老子の哲学(抄)
英国詩人の天地山川に対する観念(抄)
『文学評論』第四篇 スウィフトと厭世文学(抄)
付録 漱石の同時代作家への言及索引
解 説……磯田光一
注 解……古川 久 編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
34
BOOKOFF+で110円で購入。文学書を読んで文学の如何なるものかを知らんとするは血を以て血を洗うが如き手段たるを信じたればなり。社会的に文学は如何なる必要あつて、存在し、隆興し、衰滅するかを究めんと誓へり(15頁)。理想とは、如何にして生存するが尤もよきかの問題に対して与えたる答案(91頁)。ひま人というのは世の中に貢献する事の出来ない人をいう(111頁)。秀才が懸命に馳け廻っているにもかかわらず、自分の生命を託すべき職業がなかなかない(219頁)。これは現代の高学歴ワープア問題にも読める。2021/02/21
saga
27
【再読】漱石の作品が本書に述べられているように理論的に著されていると思うと感慨もひとしおだ。しかしまた、東大での英文学の講義が理に走り過ぎて最初は不評だったことも頷ける。西洋文明に対する批判的態度も、実際に彼が英国留学を経験したうえでのことで、当時の多くの日本人や現在の自分などが想像しえない境地にいるからだと思える。講演録もユーモア溢れるものだったが、「道楽と職業」が最も楽しめた。2016/01/31
ころこ
18
『文学論』と『文学評論』その他の一部抜粋とエッセイですが、雑感ばかりでさすがにみるべきところは無いかと。2020/10/13
それん君
10
漱石先生漢文も西洋文学もお好きなんですね。漱石先生の本を読むまで僕の中ではなんかいまひとつパッとしない偉人だったんですが、文豪と言われる理由がよりわかる気がしました。2017/02/09
アイナ
9
英国留学、本当に嫌だったんですね。「自己の意志を以てすれば、余は生涯英国の地に一歩も我が足を踏み入るることなかるべし」その一方で、英国留学をきっかけとした神経衰弱と狂気が自分自身を創作活動に向かわせたと言います。また、漱石は小説を書くことを芸術ではなく、職業としてとらえていたようです。漱石の文学や哲学に対する考え方や、真面目な人柄が良く分かる本でした。2016/06/16
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