内容説明
不思議なこと、空恐ろしいこと、あるんです…。
超戦慄、大反響!
お寺の実話怪談、お坊さんの語る怖い話!
由緒正しきお寺のご住職から聞き集めた正真正銘の実話怪談、『「超」怖い話 怪仏』。
圧倒的な恐怖とリアリティでもって読者を震撼させたこの寺怪談の続編がついに届けられた。
仏も滅亡するような最悪の日=「仏滅」と冠した本書には、前作を凌ぐ摩訶不思議な話、身の毛もよだつ心霊譚がびっしりと収められている。
怨み、妬み、執着……生者死者問わず人間が引き起こす怪事件のおぞましさはまさに阿鼻叫喚もの。
もちろん中には不思議な良い話もある。
それらすべてをひっくるめて人間の業と言えるのかもしれない。
今回は「拝む」をテーマに占い師の方からも奇怪な話を伺った。
厳しい修行を積まれた僧侶の方、そして数々の悩みに立ち会ってきた占者だからこそ見えたもの……拝む人が目撃した戦慄の実話怪談をとっくりと味わっていただきたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
241
久田樹生(たつき)さんの怪談には難しい話もありますが、この占い師と僧侶の方から取材された怪談噺集は伝統的で判り易くてストレスなしで文句なく楽しめますね。『どーも』占い師の瀧本さんが休日思い立って妹と温泉へ出かけた時の事。車で途中、ある長いトンネルを抜ける事になり、妹は居眠りを始めトンネル入り口で時刻は午後五時で大体30分程度で着くだろう。…が走っても走ってもトンネルを抜けない。既に時刻は六時を回り一時間掛けても、まだ出口は見えず対向車も全くなかった。直進の道しかなく迷うはずもないのだ。どうもおかし過ぎる。2022/04/24
ラルル
28
前半は女占い師の体験談、後半はとあるご住職の話になっています。断然後半が良いです。前半は…なんだろう、何かひっかかる感じ。タイトルの「仏」という文字も前半の占い師には関係ない気が。同じように「仏」傾向の怪談なら「怪仏」の方がいいかも2016/11/30
澤水月
28
前半、占い師パートのスピ分・女子会風味(自分が女子高生当時ならともかく…)が本当に苦痛で投げ出したかった。同額でいいから前半部切り落としたいと思った程いつまでも読み終わらず。逆に後半のご住職の話は全て面白い。不思議にスピ部はたとえば伊藤美巳華さんら女性漫画家の雰囲気が強く、後半部は聖天さまの恐ろしさ修行話など永久保貴一氏の一連の取材漫画に題材や雰囲気も似ているように思えた。何にせよ本の題名が全く合っていないのはどうにかしてほしい。刀剣怪談といいちょっと最近…ちなみにお寺ものなら高田寅彦氏著書をお勧めする 2016/11/07
やんも
18
もし本書に『怪神』や『怪仏』と同様の内容を期待してしているのなら、おすすめしない。これまでが黒の久田ならば、本書を書いたのは白い久田。表紙とタイトルはまがまがしいが、内容は正反対と言ってもよい。女性占い師と住職に取材した奇談集でマイルド。怪談本と言うよりもスピリチュアル本であり、その手の話も好きな自分としては、タイトルと表紙を変えてくれればよかったのにと残念に思う。同系列としては加門七海や伊藤三巳華だろうか、それぞれのファンならなんとなくわかってもらえると思う。最後に一言「本書に恐怖を求めてはならない」。2016/11/04
柊よつか
17
良い本を読んだな。読了後、胸の中が清清しくなった。本書は、ある占い師とある僧侶、彼らの元に舞い込んだ依頼や彼ら自身が体験した、神仏にまつわる怪異で構成されている。〈神仏に祈る〉のではなく〈神仏を拝む〉とは何か。そこに主眼を置いており、いつもの実話怪談とは異なる趣だが面白い。語り手のお二人が真摯な好人物で、そこに真剣に向き合う著者がいて、清清しさの源になっている。語られた話はどれも興味深く、「道の彼方」「姫」「あの社宅」「執着」「お堂の裏」「聖天様」が特に印象的。今は載せられなかったという話も是非読みたい。2016/11/03