内容説明
【この電子書籍は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きい画面の端末で読むことに適しています。】
弁証法論理の原初形態としてイエスの「愛」による主体と客体の止揚が打ち出され、その愛自体が運命の必然によって乗り越えられてゆくことを示した若きヘーゲルの記念碑的著作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しお
2
初期のヘーゲルの作品はイェナやベルリンにおける彼の概念形成に至る様々なモチーフで溢れている。しかしこの作品に特徴的なのは「生」と「愛」の考察だろう。ここにのちの法哲学や精神現象学にも出てくることのない青年ヘーゲルによる独自性があると同時に、青年ヘーゲルによる未完の哲学体系の構想が現れるのではなかろうか。2022/05/04
amanon
2
内容はともかくとして、もともと草稿という形で残された、いわば荒削りな作りになっているテキストに全く注釈をつけていないというのはいかがなものか?という気がする。特に著者独自の聖書解釈だと思われる箇所など、実際に聖書の内容やキリスト教神学の見解と対比させるべきだと思うが。それはそれとして、難解な内容ではあるけれど、読み進めていくうちにある種の高揚感を覚える魅力的なテキストであることも確か。ここで書かれた内容が後の作品の中でどう発展していったのか?ということも気になる。次はより詳細な注釈付きのものを読みたい。2015/04/07