内容説明
いちばん好きなものは? と問われたら、鮨と答える、にぎっている時の主の眼の輝きがすばらしい。少年時代、どんどん焼屋に弟子入りしようとして〔鳥の巣焼〕という珍品を発明する。松阪牛が丹精こめられた処女なら、伊賀牛はあぶらの乗りきった年増女、これをバター焼、ついですき焼と賞味する。おいしい食べ物に託して人生観を語る無類のエッセー。著者自筆のカット7点挿入。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
池波さんの数ある食に関するエッセイの初期のものです。何度目かの再読ですが、いつもうまいなあと感じます。ご自分の生い立ちに絡めて、食の情景を描かれています。一つ一つのエッセイが何とも言えない味わいを醸し出していて一つの短編小説的な味わいのものもあります。私は時たま志賀直哉の「小僧の神様」という作品を連想することがあります。2017/09/16
ゴンゾウ@新潮部
124
昭和の時代の香りが色濃く漂う食にまつわるエッセイ。単なるグルメ本ではなく池波さんの子供時代の思い出、家族との暮らし、友人との交流、仕事へのこだわり、旅先での出会いなどのエピソードを交えながら食への思いが綴られている。それを通じて彼の粋で骨太な人となりや人生観を知ることができる。中には男尊女卑とも受け取られる部分があることは否めないがこういう風に自分らしく人生をおくれたらいいと思ってしまうのは自分だけだろうか。2015/10/07
HIRO1970
95
⭐︎⭐︎⭐︎久々の登録再開の一冊目は、やはり大好きな正ちゃんの本にしました。今回は食べ物系にしました。それにしてもよく食べるのは、やはり戦争を経験しているからでしょうか?煙草🚬も酒🍶もガンガン行くので今回はかなり時代のギャップを感じました。前はお腹空いてしょうがない感じでしたが、今は少し胸やけしてしまう感じがしました。健康が大事ですね。池波さん141冊目。2019/05/12
こばまり
59
ある大晦日の池波先生。浅草六区でアステアロジャースのミュージカルを観た後藪そばで一杯。鴨なん。素敵。「このはなしは、嘘だと、作者が思ったら、絶対に、先へはすすまぬ」この一文に出会い、思い当たる節ありハッとなる。一年の締め括りによいものを読みました。2015/12/31
けぴ
52
食べ物に関するエッセイ。子どものころから株屋をしていたころ、舞台の脚本を書いたころから小説家となり直木賞を受賞したころまで幅広く、食べ物を通した自伝とも言えます。今はない店が多いと思いますが、当時の雰囲気が残っているお店があれば行ってみたい。2020/01/09
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