マルの背中

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マルの背中

  • ISBN:9784062200639

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内容説明

小三の亜澄は母と二人暮らしをしている。亜澄が7才、弟の理央が5才のときに、両親が離婚して弟が父に引き取られたからだ。コンビニのパートで生計を立てる母とのぎりぎりの生活を、淡々と受け止めている亜澄だが、ふとしたときに弟の理央の声が聞こえてくるような気がしていた。ある日、亜澄は駄菓子屋のおじさんに呼び止められ、幸運を呼ぶと評判の看板猫のマルを4.5日預かって欲しいと言われる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

94
酒井駒子さんの装画。足を抱える女の子は幸せそうに見えない。大人の都合で離ればなれになった姉弟。亜澄は母親と、弟 理央は父親と暮らす。のしかかる生活苦。子どもは大人をよく見ている。生き延びる術を見つけ出そうとする。そんなときあずかった猫のマル。家の中の空気が少しだけ変わる。給食のない夏休みを手助けする試みが全国で広がっているが、手をあげられない親子もいるだろう。亜澄はちょっとだけ強くなった。弟 理央に会える日が来るといいね。 2018/08/01

はる

88
アパートに母親と二人で暮らす女の子のお話し。お母さんは投げやりで、娘への愛情が薄い。生活も苦しい。そんなある日、近所のネコを預かることになる…。こんなに幼いのに別れた弟を想い、幸せだった思い出を懐かしむ日々。少女があまりに不憫で、読んでいて切なくなる。お母さん、しっかりしてよ!ラストは少しだけ明るさが見えてホッとした。酒井駒子さんの表紙の絵が素晴らしい。2018/06/08

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

84
84/100点 岩瀬さん、初読みの作家さんですが素晴らしい作品でした。親が離婚し母親と二人暮らす生活が、小学3年生の女の子の視点で描かれています。現実社会でのシングルマザーになった家庭の厳しさがリアルに描かれていて、読んでいて途中辛くなりました。この本を読んでいると、子供に親の選択権がないということと、育つ環境で子供に凄い不平等が発生するということが、改めて痛感させられました。先の見えない生活に、この母娘がどうなっていくのでしょうか?女の子の未来が少しでも明るいものであってほしいと切に感じました。2016/12/12

ぶち

83
子どもって、大人が思うよりずっと不自由な状況でもがいているんですよね。 主人公の少女・亜澄ちゃんの一生懸命さに泣きました。 けっして優しいとは言えない世界で一生懸命に生きている亜澄ちゃんの様子がとても切なく、愛おしかった。 子どもの頃に思っていたこと、感じていたことを思い出しました。そして、猫たちのことも。2025/04/22

ゆみねこ

80
読み終えて、表紙の絵を見てじんわり。マル、亜澄と一緒に居てくれてありがとう。岩瀬成子さん、初読み。 2016/11/08

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