内容説明
「全身がある!」
そして日本の恐竜研究の可能性が大きく広がった?
「全身がある」を合い言葉に進められた北海道・穂別の発掘プロジェクト。
この化石発見が、実は白亜紀末期の恐竜進化の謎解明につながっていた。
日本古生物史上最高と呼ばれる、状態のいい全身骨格(ザ・パーフェクト)発見の全貌を、関係者の証言でひも解くサインエス・ノンフィクション。
実際に今もこのプロジェクトを指揮している北海道大学総合博物館、小林快次准教授を筆頭に、プロジェクトで活躍した穂別博物館の研究者2名含め、コアな関係者3名が監修。
日本の恐竜研究界を賑わしたビッグニュースを理解するに十二分な情報がつまった決定版。
目次
第1部 むかわ町穂別
第2部 恐竜化石
第3部 発掘
第4部 ハドロサウルス類
第5部 これから
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
82
北海道における日本初の恐竜全身骨格発掘記。むかわ町穂別で2003年恐竜の化石が発見された。尾椎骨のほぼ完全な状態のものだった。穂別というところは古くからアンモナイトの産地。12名の発掘に関わった研究員の活躍ぶりや恐竜の基本的なことや発掘からクリーニングに至る一連の工程についても書かれている。クリーニングというのは割と簡単にできると思っていたが繊細な取扱と知識が要求されることと時間のかかることやノジュールという化石が含まれた石の運搬、時にはヒグマと遭遇しかねない大変な作業をこの本で知ることができた。2019/05/04
たまきら
34
日本は中生代は海だった。恐竜の化石はでない・・・小さい頃から恐竜の本を読めばそう書かれているので、専門家の佐藤たまきさんのご指摘があるまで海竜と思われてたのも仕方ないのかもしれないけど、自分的にはカモハシ竜より海竜の方がかっこいいのにな、とか思ったり。とにかく臨場感のある楽しいルポなので、これを読んでワクワクして古生物学を目指す人が増えたらいいな!しかし・・・エゾヒグマを警戒しつつの発掘かあ・・・。2020/01/31
ふ~@豆板醤
26
4!立ち読みにて。久々のワクワク感。全身骨格が北海道で見つかったなんて!!むかわ町行かなくちゃ!!小林先生すごい。古生物を研究するようになった経緯からドラマチック。それほど心惹かれるものがあるのって素晴らしい!化石の勉強再開しようかなー発掘ボランティアの募集探してみる!2017/08/06
きゅうり
16
恐竜の骨が現代までのこってて、それが地表に現れるってのがそもそも奇跡。色んな偶然が重なって発掘された、ほとんどパーフェクト!な恐竜の全身骨格。発見、発掘に携わった人がどんな働きをしたかだけじゃなく、どんな生い立ちで化石と出会うに至ったかがドラマチック。そのほか恐竜の時代や分類、地層のお話もあるからニワカにもわかりやすい。ああ、小さい頃のわくわくが蘇る。日本でも、恐竜の全身骨格が発見されたよ!!!すごいよ! 2018/01/24
イノ
12
北海道むかわ町で日本初の全身恐竜発掘記録。と、それに関わった9人の生い立ちからの物語。 骨が風化しないようにスポイトで垂らして半年、 周りの岩を削るのに時に大胆に時に繊細に数ヶ月かけたり とにかく丁寧に時間をかけて形を掘り出していく。 人間ドラマとロマンが溢れてて知らない世界を知れてとても面白かった! 映画化したらいいのに。 ちょうど読み終わった日に公開してて運命を感じたw2017/06/04