小学館文庫<br> なぎさホテル

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小学館文庫
なぎさホテル

  • 著者名:伊集院静【著】
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • 小学館(2016/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784094063486

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内容説明

作家・伊集院静の原点が綴られた自伝的随想。

 1978年冬、若者は東京駅構内にいた。足元のトランクには数枚の衣類、胸のポケットにはわずかな金しかなかった。入社した広告代理店も一年半足らずで馘首され、酒やギャンブルに身を置いた末に、東京での暮らしをあきらめていた。生家のある故郷に帰ることもできない。
 そんな若者が、あてもなく立ち寄った逗子の海岸に建つそのホテルで温かく迎え入れらえる。
「いいんですよ。部屋代なんていつだって、ある時に支払ってくれれば」
 見ず知らずの自分を、家族のように受け入れてくれる“逗子なぎさホテル”の支配人や副支配人、従業員たち。若者はそれからホテルで暮らした七年余りの日々の中で、小説を書きはじめ作家デビュー、大人の男への道を歩き出す――。
 作家・伊集院静の誕生まで、若き日に向き合った彷徨と苦悩、それを近くで見守ってくれた人々との出逢いと別れ。名門ホテルは平成元年にその歴史に幕を閉じているが、目の前に海の広がるあの場所で過ごした時間は、今でも作家の夢の中に生き続けている。作家デビュー前夜からの大切な場所と時間を振り返り、作家としての原点を綴った貴重な自伝的随想。巻末には、文庫化にあたり書き下ろされた「あとがき」を追加収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

111
これを真似して、一人海のそばの街に降り立ち自分を世話してくれるホテルはないかと思う若い男はいるだろうか。普通はこんなことは起こらないのだ。小説ならば、なんて甘いことを適当に書いて…と思うだろうが、伊集院静氏の視点を通してではあるが、ほぼ本当のことだろう。だから、人達が息づいている。そして、とても魅力のある若い男だったのだろうと思う。手を差し伸べずにはいられなかった支配人。そこのホテルは、年に一度は、皇太子夫妻が食事に来られる程の格を持つところだったのに。他人とこんな関係性を築けるのは伊集院さんの度量だ。2020/11/07

chimako

80
これは小説のくくりだけれど、伊集院静氏の思い出話を聞いているような読み心地。「あの子のカーネーション」に始まった文春連載のエッセイをたくさん読んだ身としては、どこかで目にしたエピソードも多く落ち着いて読み進めることができた。それにしても、なぎさホテル。支配人のI氏。懐の広さと深さで青年伊集院静を包み込む。三度の結婚。生き別れ、死に別れ、飲んだくれ、行倒れ、助ける人がいて、愛されることになる。人は時として自分の意思とは関係ないところで不思議な縁を結ぶ。あの時逗子に降り立った伊集院静は何に呼ばれたんだろう。2018/06/28

Shoji

70
誰しも人生は山あり谷ありだと思う。 こういう風に人生の出来事を活字にできるっていいなと思った。 派手さはないけど、染み入るいい文章が綴られています。 人生っていいもんだなとつくづく思いました。2016/12/10

kei302

45
自伝的エッセイ。人たらしと言うか、人を惹きつける何かが備わった人なのか。削ぎ落とされた部分が意味深で、そこをあえて書かないのがよい。桑田佳祐の「なぎさホテル」もこの機会に聴いてみたい。2023/12/30

かいちゃん

42
伊集院静さんの本は初めてです。7年間で宿泊費はおいくら万円になったんでしょうか。K寿司に行ってみたいものです。2019/10/11

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