内容説明
2016年のアメリカ大統領選挙は、史上最大の混戦。 格差にあえぐ人々が政府に不信感を強めている。 一見暴言に見えるトランプの発言も、今や幻想と化した「強いアメリカ」に疑問を感じる人々の心に響く。 大統領選挙を切り口に、国際社会に背を向け、内に向かう新時代のアメリカを徹底解説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
p.ntsk
44
11/8に迫ったアメリカ大統領選挙。池上彰さんと増田ユリヤさんが現地の選挙戦を取材。複雑な大統領選の仕組みも解説。今回は予備選挙から異例の選挙戦が展開しています。民主党は民主社会主義者を標榜する異端のサンダースが若い世代の支持を受けて最後まで善戦。共和党も本流から外れた泡沫候補と見られていたトランプが共和党候補に。従来のワシントン政治に対する拒否感と今のアメリカの国内事情を反映しているようです。あれだけ過激な主張をしながら残ったトランプ。アメリカ第一主義に共鳴するトランプ支持の本音が伺われます。 2016/11/06
hk
18
これはいま改めて読んでみると興味深い一冊だ。池上氏による米選挙制度解説のパートと、増田氏による16年米大統領選・現地取材のパートからなる。池上氏によれば「アメリカではなまじ政治経験のある候補は腐敗しているとして有権者が毛嫌いする風潮がある。だからこのところクリントン、ブッシュ、オバマと政治経験の浅い人物を大統領に選出。この文脈からいけばヒラリーは…」といったニュアンスで暗にトランプ大金星をにおわせている。増田氏のパートからは隠れトランプ支持者などの取材を通じて、トランプ勝利の匂いがプンプンと漂っている。2018/10/19
テイネハイランド
17
図書館本。2016年8月刊行の新書。2016年度に行われた予備選挙(民主党および共和党それぞれの大統領候補の一本化)の報告が主な内容。大統領がトランプ氏に決まったあとにこの本を読むのはやや賞味期限切れの感はありますが、レポートはとてもわかりやすく書かれているので、アメリカの選挙の仕組みについて一通りの知識を得ることができました。アメリカでは、予備選挙の場合、有権者のデータ(名前、住所、電話番号、年齢、支持政党、過去の投票結果)がインターネットに公開されているというのが凄くふしぎに思えました。2017/03/23
ケイ
15
トランプ大統領になった今となっては、サンダースという名前に懐かしささえ覚えます。読んでいてアメリカ大統領選挙のシステムや現地の声が分かり興味深かったです。しかし、もしサンダースが候補者だったら民主党が勝った可能性もあるのかもしれませんね。2016/12/19
スプリント
14
池上さんと増田さんの対談本かと思いきや、それぞれ別々に章を担当している共著本でした。 民主党のサンダース推しのスタンスです。 トランプとヒラリーの決勝戦となりますが、関係本を読んでみると、 どっちも駄目じゃない?という想いが強くなる今日このごろです。2016/10/02