内容説明
新選組の幹部であった永倉新八の手記が、このたび発見された。これは研究家の間ではその存在が知られ、「幻の手記」と言われていた超一級の史料である。本書は「浪士文久報国記事」と題された手記の原文を全文掲載し、幕末史研究家として著名な木村幸比古氏が意訳、解説を付したものである。永倉は晩年になって、後に『新選組顛末記』として出版される談話を発表しているが、本手記はそれより30数年も前の明治9年頃に、みずから記したものであり、当時の模様が生々しく綴られている。例えば有名な池田屋騒動では、「壱人切テカケル者是アリ、沖田総司是ヲ切ル」「又壱人表口ヘ逃ル者永倉追カケ、是ハ袈裟ガケニ一刀デヲサマル」など表現がリアルである。また芹沢鴨暗殺後「神葬祭立派ニシテ」と神式で葬儀を行なったことなど、新事実も多く明かされている。隊の中枢にあった人物の手記だけに、新選組史・維新史の研究に一石を投じる貴重な史料である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつきネコ@成長した化け猫 久びさの成長
6
900冊記念に。新選組の生き残りの永倉新八の懐古日記を読んだ。驚いたのは木村幸比古氏のサイン本だった。池田屋事件は新八の行動が逐一追って書かれ迫力がある。鳥羽伏見も永倉が細かい政治状況が語られ、新八も勉強しているんだな。芹沢鴨の粗放説は怪しまれていたが、鹿さんの髪を切らせたエピソードはリアリティーがある。しかし、新八も記憶違いも笑える。斎藤一馬はなんだ。気になるのは墨染で死んだ石井清之進が、鳥羽伏見に出陣していたりする。死んだのは別か鳥羽伏見が間違いなのか。新八の語り残したおかげで新選組は残っているんだな2018/06/13
小椋
3
解説が分かりやすく、顛末記や他の資料との比較もあったのが嬉しかったです。どこまでが本当のことなのかわかりませんが、永倉さんにしか書けないものなのだろうなと思いました。2016/07/17
ayko
3
永倉本人による手記。原文、読下し分、解説とあって、とても分かりやすいです。記者の脚色がある「新撰組顛末記」よりこちらの方が正確なのかな、と思いました。一番は、やはり池田屋襲撃のところ。原文もスピード感があり迫力の描写でした。永倉先生も、ここは当時を思い出して筆が踊ったのではないかと思えました。顛末記とあわせて、こちらもいつかじっくりと再読したいです。それにしても、こんなに貴重な資料が長く所在不明になっていた原因が借りパクだったなんて!2013/10/30
さくら餅
2
新撰組永倉新八の手記「浪士文久報国記事」をまとめた本です。「島田魅日記」や「新撰組顛末記」と掛け合わせた解説も載っています。新撰組書物は物語ものばかりでこういった資料は初めて読みますが、なかなか興味深いですね。芹沢鴨に髪を切られたお鹿さんの話は新八の情の熱さを感じてお気に入りのエピソードです。そしてやはり見所の池田屋事件はさすが体験した本人が書いてるだけあって迫力満点。とても楽しく読めました。2016/01/02
もこもこひつじ
2
原文には歯が立たず、現代文と解説のみ読みました。図書館で借りて時間がなくて焦って読んだので、また借りてじっくり読み返したいと思います。2013/10/25
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