内容説明
今から約2300年前の中国で成立した『荘子』は、一切をあるがままに受け入れるところに真の自由が成立すると説く。禅の成立に大きな役割を果たし、今なお多くの人に影響を与え続けるこの書の魅力を、作家・僧侶の玄侑宗久が存分に語る。書き下ろしのブックス特別章「『荘子』における宗教性」収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
80
今日読んだ本の解説が玄侑さんだったので、思い出してこちらを。儒教へのアンチテーゼと言うのもうなづける。そして、日本や中国、きっと韓国も儒教の影響をほんとに深く受けてるのだと改めて感じた。荘子の説く生き方は究極の理想だ。でも、国家とか組織の中で生きようと思うと荘子の生き方は実践出来ない。計画とか予想とか、そんなもの関係なくあるがままの現在を生きる、そんな風に生きられたらほんとに長生き出来るよね😞でも、違う意見にも耳を傾ける、何をも比較しない、そう言う事はできる限り実践したい。玄侑さんの解説、良かった。2021/03/14
サゴウ
56
老子、孔子と読んできて最後に荘子を読む。これ「そうじ」と読むんですね。ドゥルーズやスピノザと通ずるところが多そうで楽しみにしていたが、案の定一番ハマった。「遊」の概念があるところが好きだ。自分も遊ぶことを大切にしている。荘子には人生の楽しみ方を教えられる感じがある。老子では漠然としていた概念も、小噺で語られればイメージができて具体性を帯びる。諸子百家で一番友だちになりたい。「無有に遊ぶ」。これができるように、本書も含め荘子関連の著作を読んでいきたい。この人の思想は自分の好きな思想家と色々つながるはず。2023/11/20
ころこ
40
角川文庫ビギナーズクラシックの残り半分が『荘子』になっている。『老子』はテクストが限定されていたので、テクストに戻っていったが、『荘子』では講話(法話)になってしまっている。これでは読解ではなく、教訓を聞いているだけになっているのだが、読者に不満はないのだろうか。古典は解釈の歴史を無視して読むことは出来ないが、読みの方向性を与えることを意識し過ぎて、テクストを読む比重が下がっていることの物足りなさがある。また仏教との混同に警戒しなければならないが、著者の属性が信頼性を損なってしまっているのは明らかだろう。2022/11/07
Speyside
29
東洋思想に疎い自分には、少しとっつきづらく、解説もわかりやすいとは言い難かった。臨済宗の僧侶である著者が、老荘思想の禅への影響を念頭に解説しているのだが、仏教に関する私の知識がほぼゼロのため、両者の比較をされてもピンとこず…「効率を求めることは恥ずかしい」「受け身こそ最強の主体性」「理性や知性の否定」「言語への懐疑」「みずからではなくおのずから」なんとなく雰囲気はつかめたような気がするが、腹落ちしていない。とは言え、現代に生きる我々の常識を覆すという意味では興味深い。図書館で『莊子』を借りて読んで見よう。2021/03/29
フク
19
老荘思想は疲れた時に効く(気がする)。〈効率化を目指す、するとそこには、少しでもうまくやろうという機心が生じる。機心が生じると、精神ももちまえも安定しなくなる──。〉なかなか難しいが緩めてもいいだろうとは思う。 「柳は緑、花は紅」の考え方は大事にしたい。2020/02/18
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