内容説明
パリの古いアパルトマンの地下室で、厳重に隠された手紙の束が発見される。
それらはすべてシモーヌという一人の女性が、愛人にあてて書いたものだった。
1928年から1930年のパリで書かれた200通におよぶ手紙。
2人の逢瀬について赤裸々に記された手紙は、関係の変化に従い徐々に過激さを増していき、そして……
「逢瀬のたび、互いの異常性に惹かれ合う。
セックスのたび、どんどん離れられなくなる」
「いずれは一人になる時がくるのに、
なぜこれほど尽くしてしまったのでしょう?」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
25
これはノンフィクションで、100年近く前の手紙が書籍化されたものだ。ずっと似たようなリズムで書かれた恋文だが、愛人にストレートに気持ちをぶつけ、性行為の思い出を熱く綴ったものばかりだ。シャルルへの気持ちが苦しいほど愛し貫く心に気づくととても悲しい。シモーヌはシャルルの妻に対する強い嫉妬心に苦しむが故に、妻よりも自分に少しでも振り向かせようと激しい性行動の主導権を握ったのではないかと思うと、胸が締め付けられて涙が止まらなかった。辛くても好きでい続ける一途な気持ちには強く胸を打たれた。2017/04/30
よつ葉
25
まだメールもラインもなかった頃、手紙のやりとりで愛を確認しあってた頃を思い出しました。会えない時間が愛を育てる。待てば待つほど苦しくなる心。いつの時代も変わらないんだと実感。美しい言葉で語られる愛と性。読後はなんだかお腹がいっぱい(笑)2016/10/18
FuSa
14
これはまた、、、。恋は盲目の最たるものと言ったらいいのかな。ネットがなく他人と情報交換や比較ができない時代に秘密の純愛を純粋培養した過程と結果というかなんというか。きっと現代なら、匿名でブログとかやっちゃうと思うんだ、マドモアゼルは。表紙素敵だと思って読んだら、中身との湿度粘度のギャップにやられますね。身も蓋もないけど一言で表すなら、とても上品でそれ以上に卑猥な書簡。2016/09/26
スイ
11
ワワワワーオ…! 1930年頃に書かれた一人の女性の恋文。 赤裸々だという予備知識はあったのだけど、ここまでとは…! 奔放のようでいて、相手の反応をびくびくと窺ったり、相手の妻への嫉妬から来る心痛を思わず滲ませたり。 シモーヌの恋情が鮮やかに綴られている反面、手紙として言葉に当て嵌め、整える中でフィクション的に仕立てている部分もあるのだろうなと思う。 しかし終盤のシモーヌの突っ走り具合には、驚きつつも切なくもある。 ロットめーーーー!!2021/05/20
しぇりー
8
予想していたものと違ってびっくり。かなり赤裸々に性事情についての記載。そして包み隠さずストレートな表現が多い。けれどもどこか品性を感じるというか、そこが不思議なところ。2016/07/22