朝日新書<br> 日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか

個数:1
紙書籍版価格
¥792
  • 電子書籍
  • Reader

朝日新書
日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか

  • 著者名:大澤真幸【著者】
  • 価格 ¥799(本体¥727)
  • 朝日新聞出版(2016/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022736833

ファイル: /

内容説明

変化に乏しく見える日本の歴史でも、一人だけ革命家は存在する。信長でも明治維新の志士でもない革命家とは誰か? イエス・キリストの革命、中国の易姓革命、日本の天皇制など、洋の東西、日本史と世界史を俯瞰しながら、社会を変える真因に迫る、大澤社会学の新たな地平。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

29
革命は人民の意志だけではなく、人民に外在する「例外的な一者」に帰せられる意志として解釈されたときにはじめて実現します。その「一者」とは中国では「天」であり、西洋では「唯一神」です。ただ天皇だけは、外在した超越者ではなく、内在する人間であるため、日本において革命は起きないことになります。しかし、著者によると、北条泰時だけは日本において不可能性の臨界点に挑戦して成功した人物という主張をしています。泰時の評価は以下の2点です。①承久の乱の処分で天皇を否定した。にもかかわらず、天皇への経緯を維持して皇室の廃棄をし2018/10/03

ロマンチッカーnao

22
知的興奮を得られる本です。日本には革命は一度しかおこっていない。その一度というのは、北条泰時が御成敗式目を制定したこと。織田信長でもなく、明治維新でもなく、えっ。。北条泰時??って感じです。でも、読んでみると納得。西洋の革命は聖書になぞらえてルールを変える。中国は天を持ってくる。そして、日本は天皇陛下を持ってくる。一読の価値ありです。2017/09/03

小鈴

18
若干批判をしておこう。きこしめす天皇、執政の「外注」を行う天皇は基本的に現状追認で受動態の〈一者〉だが、天皇制を維持するために極めて能動的に執政者とコンタクトをとった時がある。敗戦時の昭和天皇だ。アメリカではなくGHQ元帥マッカーサーと。詳細は、豊下楢彦『昭和天皇の戦後日本――〈憲法・安保体制〉にいたる道』参照。大澤は戦後の執政の位置づけである元老はアメリカで、アメリカがはっきりと自覚していなくてもそうだと指摘する。が、それは昭和天皇が「明確な意志」をもって行動した結果だ。九条と安保ともに天皇の意志だ。2017/04/10

チェアー

17
日本で起きた革命は一度だけとし、北条泰時=革命家説を提起する。天皇を否定し、存続させる天皇制を利用したからという理由なのだが、うーむ。生産関係や支配、被支配の関係が温存されても革命なんだろうか。大多数の国民が認識しなくても、こっそり起こる革命というものがあるのか。面白い提起だと思うが、山本七平からの借り物の議論の匂いもして、なんだかしっくりこないのだ。2017/01/12

小鈴

16
中国/西洋の革命の構造的違い、承久の乱の「革命」性と日本型革命のあり方については興味深いものの、なぜ承久の乱が成立し得たかについては隔靴掻痒。明恵の自然発生的秩序の肯定とシンクロと言われても。ここまで引っ張ってガクっですよね。中国西洋と比べて論理の筋を抜き出すことには成功していないと思います。でも、承久の乱は調べるほど面白いですね。今後注目。さて、大澤真幸は真似して描いたわけではないが互盛央『日本国民であるために』と同じことを言っているのは興味深い。➡2017/04/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11190078
  • ご注意事項