内容説明
「複素解析」は、複素数を変数にもつ関数の振る舞いについて考える数学の一分野である。その出発点となるのが“オイラーの公式”eiθ=cosθ+isinθで、実数の世界では見ることのできない美しい規則性が、複素数の世界で次々と展開される。本書は関数の正則性、コーシーの積分公式、留数定理など微分積分に関する基本的な事柄から、ピカールの大定理、楕円関数、そしてモジュラー関数の話題まで、1変数複素関数のポイントをやさしく解説。複素関数がもつ“解析性”という著しい性質を見据え、その本質に迫る入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
8
大学時代に履修した複素解析の講義が、留数定理を応用できるようになるところまでがゴールだったので、その先を深く学ぶために読み始めた。文庫とはいえ、楕円関数などの工科系では扱っていない内容がかなり含まれていて、難易度も分量も多いので注意。2017/09/23
海
0
すごくいい本です。学生時代に買って結局読まず、社会人になって勉強してみました。簡単ではないけど、すごく丁寧に書かれていて、丹念にノートに写経しながらゆっくり考えたらほとんどは理解できるように書いてあります。「次」も見えるように書かれているのも良いです。2022/12/09