内容説明
福沢諭吉や夏目漱石のどこがそんなにエラいのか? 坂本竜馬は結局何をした? アレクサンドロス大王やコロンブスはただの侵略者じゃないか? 評価が上げ底されがちな明治の偉人、今読んでもちっとも面白くない文豪、熱狂的な信者が多いだけの学者……世間の評価に流されず、その業績や作品を詳しく見れば、歴史や文学の新たな一面が浮かんでくる。独断と偏見で「裸の王様」をブッタ斬る、目からウロコの新・偉人伝!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
148
この人については好きな人と嫌いな人にかなりわけられるのでしょう。私は別にどうということもないのですがこのような筆者の見方も常々あるべきではないかと思われます。私もへそ曲がりなのでしょうね。この本に書かれていることは結構今まで自分が感じていたことなども否定されるのですが、あってもいいのでしょう。2017/02/25
ニッポンの社長ケツそっくりおじさん・寺
79
面白かった。歴史上の偉人とされている人達の再検討(一部まだ生きている人もいる)。私の好きな人物も取り上げられているので、読んでいて刺激があった。好き嫌いと偉いかどうかはまた別だと改めて納得。楽しく読了。共感する事が多かった。石田三成の話などよくわかる。私も老いてきて、かつて好きだった人物に魅力を感じられなくなる事が増えた。下手すると嫌いになっている。有名人を尊敬する事も無くなった。淋しい事だと思っていたが、自分の知識が更新されているのだと思うと悪くない気もする。読みたい本も増えた。2016/10/16
ヨーイチ
42
思ったよりショックや怒りが湧かなかった。「明治の偉人は底上げされている」とか「漢文崇拝で必要以上に持ち上げられている偉人がいる」とかの傾向が有るって話は覚えておいてもいいかもしれない。既に偉人って言葉自体が胡散臭い時代なのだ、と気がつく。子供時代は読書入門として伝記は有りだろうが、大人になってからは自伝と評伝を求めるのが普通だろう。好きな作家を貶されると多少は凹むが(どうも権威に弱いねえ)作者の評価する作品がこれまた捻りがあって「まぁそういう人か」で落ち着く。面白そうな文献が豊富なのは有難い。2016/12/09
gtn
34
俎上に載せた者の著作、評伝等文献に広く当たり、読み込んでいる。それを基として、かつては「本当に偉い」と思っていた人物に対する評価の変遷を正直に綴っている。その説得力故に、反論大歓迎」と言う著者に、反論どころか大半共感した。2021/07/18
showgunn
27
タイトルと内容のズレが常の小谷野敦の新書だが今回はタイトル通りの内容で、相変わらず博学な人の雑談を聞いているような気持ちで楽しく読んでいたのだが、途中から見え方が変わった。その時代時代の流行りとか雰囲気で過去の人物の評価は変わるもので、それに乗っかれた人は偉いとされるし、乗っかれなかった人は死後も不遇なままで、それは本人の実力や功績とはまた別のものなのだろう。逆に言えばこの本に挙げられてる人たちの共通点を考えてみれば、今は何がウケて何がウケない時代か、というのはぼんやりとわかる。はず。2017/01/26
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