新潮新書<br> 反・民主主義論

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新潮新書
反・民主主義論

  • 著者名:佐伯啓思【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 新潮社(2016/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106106873

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内容説明

「民主主義を守れ」と叫ぶ人がいる。「憲法を守れ」と怒る人がいる。だが、われわれは「民主主義」「憲法」を本当に考えてきたのか。それらを疑うことをタブーとし、思考停止を続けてきただけではないのか。戦後70年で露呈したのは「憲法」「平和」「国民主権」を正義とする民主主義の欺瞞と醜態だった――安保法制、無差別テロ、トランプ現象……直近の出来事から稀代の思想家が本質を鋭く衝く。知的刺激に満ちた本格論考。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

46
2015年8月号~16年5月号までの論稿から成る。問題の本質:憲法でなく防衛。日米同盟も安保法制も基本は防衛問題(21頁)。丸山眞男は「民主主義は永久革命だ」といいました。これは、理想的な民主主義が現実のものとなることはない、だから、民主主義の実現とは永久の革命だ、ということでした。革命とは下克上です。永久革命とは永遠に続く下克上です(50頁)。日本は追い詰められ、帝国の存亡の危機にまで追いやられ、やむをえず戦争に入った、と当時の人々は思っていた(72頁)。日本近代化の最大の目的は、2017/05/22

さきん

32
民主主義って結局何か曖昧なまま民主主義を守れと叫ばれる日本の現状に疑問を呈する。一言では説明できないが、民主主義という考えは別に崇高なものでもなんでもないし、民本主義や民主政などもっと違う訳語でとらえた方がわかりやすいよということが解説してある。2018/05/19

双海(ふたみ)

27
私と同じ年代の例の学生団体を中心とした国会前のデモなんかを眺めていると、ふだんは政治に興味がない私も何だかそわそわした。戦前は「國體」や「天皇」という言葉で人々はフリーズしていたが、戦後はそれが「民主主義」という言葉に置き換わっただけなのではないか、正直なところそういう感じ。「民主主義ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」なんてね、いやだなぁ(笑)。それからこれは趣味・感覚の問題だが、デモのように騒がしく己の「正義」を主張する行為は暴力的かつグロテスクな感じがして好きになれない。「もしかしたら自分の考えは間違って ⇒2016/10/23

樋口佳之

23
実は国会中継などもほとんど見たこともないので、そもそも良いも悪いもいう資格はないのです。/ありゃ~!保守派とカテゴライズされる方に分岐が生まれてるのはここに原因があるのかも/同質性の基準は実は「人権の普遍性」どころか、「財産をもたない市民」だったわけです。つまり、民主主義とは、第三身分に都合のよい観念に過ぎなかった。/そんな単純な話では無いはず/2018/05/24

ネコ虎

19
民主主義批判論としては最高水準ではないか。新書版でこの高度な内容、しかも分かりやすいのに深く、広範囲の論点で盛りだくさん。赤線引きまくり。これを熟読玩味すれば、世の中がよーく見えてくる。小池ファーストという政治の堕落がわかる。学校での教科書にすべき内容でこういう本で民主主義教育をしてほしいものだ。これを読めば「ぼくらの民主主義なんだぜ」なんてバカなことを言わなくなるし、国会デモに行きたくなくなるだろう。民主とか国民主権、国民の意志の胡散臭さをギリシャ民主政その他様々な観点から説いてくれる。2017/05/17

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