内容説明
人生の原点がここにある!混迷の時代に射す一条の光、現代語訳「方丈記」。満洲からの引揚者として激動の戦中戦後を生きた著者が、自身の体験を「方丈記」に重ね、人間の幸福と老いの境地を見据えた名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
つな子
2
「方丈記」を三木卓さんが現代語に訳し、さらにご自分の半生を綴り訳を補強してゆく。三木さんに鴨長明が重なっていくから不思議だ。長明が方丈記で自身について「縁欠けて」と語る。私はこれを「医療も未熟で物騒な時代だったしなあ」と軽く捉えていたが、三木さんの「(大戦下で)父親の死などありふれていた。だが、当人にとっては、ありふれたことなどではない」の一文にハッとさせられた。水の泡のように儚く生まれ死ぬ人間は、その儚い時間を唯一無二の個人として生きているのだ。私は方丈記の何を読んだというのか。自らの読書を反省した。2017/02/26
ウエノヨウジ
1
この本では方丈記の現代語訳をすると同時に、本文と対応するような出来事を自分の人生から引っ張り出してきている。三木卓の地に足のついたような文章は安心感が有って良い。満洲のこと、静岡のこと、団地のこと。こうしてみると、彼が物凄い人生を送ってきたことがわかる。ふとしたときに読み返したくなる。2017/07/05
井森_いもり
0
ゆく河の流れは絶えずしてってこんな話だったんだ。 現代語訳で読みやすくてよかった、家持ち運べるの面白いなあって。2025/11/04
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