内容説明
「完璧さは求めない。 次に進むためにはむしろ未完であることが重要です」「アイデアはこねくりまわさない。 大勢の価値観にあてはめると、ロクなことにならないから」 80歳を迎え、なお旺盛な活動を続ける美術家・横尾氏が自らの創作活動、老いとの向き合い方、幸福な人生について語り下ろす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
39
現在80歳の横尾忠則の生の言葉。無頓着で行こう、壊して壊して生き返る、いつも未完成、隠居とは欲望も執着も消えて好きなことで忙しくすること、…一つ一つの言葉が刺さるなぁ。スキャンダル大好きで、スキャンダルは、仏教の世界とも言う、なかなか楽しい人。子供の心を失わない横尾さん、芸術年齢は、若いままで、もっともっと生きて、今までにない作品、作って欲しいなぁ。2017/05/08
mintia
16
横尾さんの生き方、考え方が羨ましい。読後感はとても気持ちがいい。2017/09/14
阿部義彦
14
ポプラ新書新刊、理屈抜きに面白かった。電通の偉いさんに読ませたい位。尊敬する画家はピカソとデュシャン理屈をこねないで無頓着に暮らす。「僕には何を表そうという意図自体が無いのです。描き上がったらこうなっちゃったんだから、僕にも何を描きたかったのかはわからない。そもそも言葉で分かるくらいなら文章を書くなど言葉で表現すれば良い。言葉で表せないものを絵にしている訳です。だからみる人がどううけとってもいいんです。」ヒッピーの話、猫の話、故郷の話、努力至上主義に異を唱え、ラテン気質で猫の様に生きろ!と私は取りました。2016/12/03
邪馬台国
13
創作活動を続けて、歳を重ねた方の文章は無欲なところがとても好きです。絵描きの言葉を追体験して、うんうんと思ったり、それもあるなぁと考えを修正したり、補完する。それがしたいがために自分も物作りをしているのかも。横尾さんは本当に「子供で青年で老人」といった感じでとても不思議な存在。私淑してはいるけれども、今の歳から彼の域を目指そうと考えるのも一種の欲なのかなと思ったり。2017/02/16
唯誠
8
著者、横尾氏が…創作について、老いについて、時には人生についてのい問いかけに対し、思うことを話し述べたことをまとめたもの。 答えには普遍性というものはなく、無頓着に…努力は最低限でいいと語る。日本は必ず「努力します」とか「努力すれば開ける」とすぐに口にする。今の社会は努力し過ぎと…努力しても楽しくない、嫌々にでも、「為せば成る」と口にする。本来、努力の根底にあるものは快楽や快感に近い遊び的なものでないといけないのでは?と著者。 2018/08/05