内容説明
芥川賞作家・ピース又吉直樹や、直木賞作家・西加奈子らとの共著でも知られる文筆家、せきしろ。
エッセイが東海大の入試に使われるなど、確かな文章力に定評があり、また数々の芸人にコント脚本を提供するなど、圧倒的なユーモアを生み出すせきしろの、表現力の秘密は「たとえ」にあった――。
「オダギリジョーが本名と知ったときのように驚いた」
「『この犬、他の人になつくこと滅多にないのよ』と言われたときのように嬉しい」
「雨天中止を知らなかったような孤独」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Emperor
61
「テレビをつけたらちょうどバルスのところだったような偶然」「雨天中止を知らなかったような孤独」。よくもまあこんなに手を変え品を変え面白く整えてくるなあと。途中から自由律俳句っぽさが出てきて句集を読んでいるような錯覚になります。2017/05/01
あじ
57
私は日々『たとえる技術』を、子供相手に磨いている。子供らは“面白いたとえ”が大好きなのだ。鼻毛の頭が出ているOちゃんに、こう言ってみる。「Oちゃんの話のように、長い鼻毛が出ているよ」と。気付かれると恥ずかしい鼻毛をたとえただけで、それは世にも不思議な鼻毛となり、好奇心を煽るものにランクを上げる事が出来る。せきしろさんの“たとえ”は、想像力の助走を踏み“燃えるような赤いもみじ”を跳躍、“アントニオ猪木のタオルのように赤いもみじ”に着地する。この本は痒い所に手が届く、孫の手のように局地的だ。2016/11/18
R
54
大喜利の指南書、教科書みたいな内容でした。何かを例える方法について、技術を述べつつ、実例をあげたり、思考方法の辿り方を記したりと面白い本でした。形を似たものから持ってきたり、色のイメージを膨らませたりと、よくある方法に加えて、たとえる対象自体を広義の単語に展開することで、普通例えない方法にたどり着けたりするのは、ちょっと実践したいテクニックだと思いました。いくつか納得できないたとえがありましたが、おおむね楽しく読めました。2017/02/01
かんらんしゃ🎡
52
★たとえる技術を会話に使えば気詰まりを和らげられるよ、会話が長続きするよってなるほどね。書くことばかりを念頭に置いていた。★ビビッとくるのを作るのは難しい。相手をしびれさせるのはなお難しい。動きや絵面がすぐ脳内に浮かぶものがいいんだろうな。「サザエさんのように追いかける」2017/12/23
さばずし2487398
40
〇〇のように〜だ。たとえを工夫して入れただけで会話が盛り上がったりする。日常を観察すれば、こんなに豊かな世界が幾つも広がっているのか!と楽しくなること間違いなし。ただし本書はぷぷぷと吹き出してしまうので電車の中ではご用心。本書の例文でお気に入りは、「伊能忠敬のように旅行が好きだ」「ここでは流石に踊れませんねとマイケルジャクソンが困るように狭い」「小瓶に入れて海に流した手紙を、後日自分で拾ってしまうような偶然」「実はチェーン店だったような絶望」。この人の文章は哀愁が漂う。そんな人達の味方なのだろうな。2022/08/06
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