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内容説明
夢とロマンにあふれたツチノコ探索記の傑作が、40年以上のときを経て、大人気「黒本」シリーズ(「黒部の山賊」「山怪」等)の装丁を纏い、待望の復刊!
昭和40年代に日本中の話題をさらった幻の珍獣ツチノコ。
ツチノコはきっといると信じる著者・山本素石が、同志たちを引き連れ日本津々浦々を駆けめぐる様子を描く、ユーモアたっぷりの怪蛇探索記。
巻頭には、素石率いるノータリンクラブの活動をモチーフに小説『すべってころんで』(朝日新聞連載)を執筆した田辺聖子氏がツチノコ愛にあふれた一文を寄せる。
また、黒本版復刻に際し、月刊『ムー』編集長の三上丈晴氏が特別に解説文を執筆している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
104
ツチノコ探求には夢やロマンがある一方人間の欲やいやな部分が露呈してしまうところもある。10年に渡りツチノコを追い求めた著者が最後にいきついた答えは”逃げろツチノコ”と凄く深いツチノコへの想いである。2016/11/06
kinkin
77
一世を風靡したツチノコ、最近はあまり噂をきかないのは気のせいか。この本は1973年に発行されたのを一部改訂した再版本。著者が仲間と共にノータリンクラブを結成し幻のツチノコを探し求めるという話だ。ツチノコは全国に分布し各地にその呼称方言もたくさんあることを知った。また中にはそれを目撃し殺したり土に埋めたり密かに剥製を作ったという話も。大ぼらのような話もありそれは笑えた。タイトルは矛盾しているが懸賞金をかけられ追い求められるよりいつまでも秘めた存在を望んだクラブの意向もありなったようだ。図書館本。2016/11/02
澤水月
29
見ただけで瘴気にやられ認識する間も無く死ぬから「咬む」より「当たる」という。口にするのも憚り埋め場所も教えない程本気で忌まれていた証言多々。ある蜂は航空力学上飛べないほど胴が大きいのに飛ぶ、知ったら飛べないだろう。ずんぐりしつつ3mも飛び人を慄かせるツチノコも自らが不自由な体と知らない…その様を幻の怪蛇を追う男達にも重ね、戦傷者騙る「いざりの詐欺」に美学見せる筆致が見事。軽妙に人生の哀感滲ませつつ詳細に1970頃から更に30年前頃までの山の暮らしが記録され貴重。自然「保護」なんて思い上がりとの言葉が重い2016/12/20
柊よつか
15
著者と仲間達がツチノコ探しに奔走した約十年の記録。ずんぐりぽってりしたフォルムにちょろりと生えた尻尾、素晴らしいジャンプ力、誰にも捕まらない幻の生き物…というのが私の中のツチノコだった。どちらかと言えば愛らしい印象なのだが、こんなにも山村の人々に恐れられていたとは。猛毒で攻撃的で絶対近づいてはならず、見たら障りがあるとまで。しかし数々の目撃談や、著者らが奔走する姿を読み進めるうちに、全てがツチノコの為に用意された隠れ蓑では?とも思えてくる。奔放な野生児か慎重な演技派か。どちらにせよやはりツチノコは可愛い。2016/12/09
スプリント
15
ツチノコに魅入られたおっちゃん達の活動記録です。 ほんわかしたやり取りが面白おかしく楽しめました。 2016/11/23