講談社ラノベ文庫 彼方なる君の笑顔は鏡の向こう

著者名：持崎湯葉【著】/ｓｅｋｉｙｕ。【イラスト】

講談社（2016/10発売）

• ISBN：9784063815580

内容説明

誰もが憧れるような美少女、音和彼方。僕、兎下詩歌の幼馴染みはそう思われている。でもその本性は――僕と二人の時にだけ出てくるのだけれど――とんでもなくだらしない怠け者。不在がちの彼方の親に代わって彼方の世話をするのは僕の役目なのだ。そんな駄目な彼方と、取り壊しが決まった近所の神社を見に行ったときに古い鏡に激突。3つに割れてしまった鏡が急に光りだし――現れたのは、どこか彼方に似た3人の少女で!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

幼馴染の詩歌だけにはダメな一面も見せる美少女の彼方。そんな彼女が神社での事故から３人の付喪神の女の子を生み出してしまい、その３人と一人暮らしの詩歌が同居生活を始める物語。「詩歌への想い」「記憶」「食欲」の強い想いを失い、どこかよそよそしくなってしまった彼方。欲望に忠実な３人に振り回される詩歌。以前の駄彼方に戻って欲しいと思う一方で、彼方も加えて共に過ごし家族のような関係と感じるようになってゆく彼らは難しい決断を迫られましたが、彼らの強い絆を信じて応援したくなったちょっぴり切ない幼馴染たちの恋の物語でした。

2016/09/30

[真白優樹]

家では駄目な幼馴染が事故で分裂し、彼女を想う少年と巻き起こす恋物語。―――想いと絆、例え無くてもそこにある。大切な思いから生まれた少女達、思いを失い忘れた少女。今までの関係と新しく築く少女達の関係。今までにあった絆は例え見えなくなってもここにある、新しく紡いだ絆もここにある。賑やかで騒がしい日常がここにある、大切な家族がここにいる。彼女との日常か、彼女達との日常か。選ばれたのは皆での日常、でもきっと彼女の中には「彼女」がいる。だからきっと、君をまた好きになる、君にまた恋をする。 うん、最高に面白かった。

2016/10/03

[ツバサ]

まぁまぁかな。良いと言えば良いよなって感じ。この作者は一冊にまとめる力があると思うから、シリーズモノを書いてくれないかなと思った。

2016/10/03

[KUWAGATA]

挿絵ゼロなのは、意図的なものなのか何らかのトラブルゆえのことなのか。タイトルから、「10文字」のような青春ストーリーを想像していましたが、実際はちょっと不思議系のお話。全体的に少しゆるい感じでしたが、最後はちょっとしんみりしてしまいましたかね。相変わらずここぞというときの言葉の選び方が秀逸で、キャラクターの気持ちがすとんと胸に落ちてきます。お気に入りはうなた。別に痴女が好きというわけではないぞ笑

2016/10/03

[nawade]

★★★☆☆　片思いの幼馴染が4人に分裂。しかも、3人と同居することになった主人公達を描いたちょっと不思議な変則ハーレム・コメディ。元の人格の愛情と記憶と食欲が独立したヒロイン達が巻き起こすドタバタコメディと主人公と在りし日の彼女と現在の彼女達を巡る切ない恋愛ドラマが上手くブレンドされた作品。そこで良い話だな～で終わらず、更にハチャメチャな甘味料が加わりプロレスちっくな場外乱闘まで発生していく様が実に作者らしかった。イラストがないのが寂しい。

2016/10/01