村上春樹と私―日本の文学と文化に心を奪われた理由

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村上春樹と私―日本の文学と文化に心を奪われた理由

  • 著者名:ジェイ・ルービン【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 東洋経済新報社(2016/11発売)
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  • ISBN:9784492062029

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内容説明

「私は完全に村上作品に魅了されたのだ。専門的な学者としてよりも一個人として、ただのファンとして、村上作品に夢中になった」――日本の近代文学の研究者であり、ハーバード大学教授であったジェイ・ルービン氏。ひょんなことから、当時話題になっていた村上春樹作品『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで、度肝を抜かれたという。それ以来、村上作品のファンとなり、村上作品を世界に紹介する翻訳者となっていく。
本書は、『1Q84』『ねじまき鳥クロニクル』をはじめとする村上春樹作品、夏目漱石『三四郎』、芥川龍之介『羅生門』など数多くの日本文学を翻訳し、その魅力を世界に紹介したジェイ・ルービン氏が、村上春樹さんとの出会いと交流、日本文学の翻訳の難しさ、そして愛する日本のことを綴る好著である。

目次

第1部 ハルキと私と作品と

村上春樹さんからの電話が私の人生を変えた
村上さんを撮らず、自分の脚を撮ってしまった 
世界が愛する村上春樹~国境や宗教を超えて  
日本文学を世界に紹介する村上春樹 
村上さんと死ななかった日
目を瞑っては翻訳はやりにくい
無意識と偶然に造られた象の長旅
『日々の光』における村上さんの影響
生きた作家と死んだ作家と翻訳をチェックする~村上と漱石の場合
世界の作家となる村上春樹
ファンが溢れる春樹講演会 
ケチャップも大事だ 
世阿弥の井戸の中 
オコナー賞授賞式に出席して 

第2部 日本と私と翻訳と

後期高齢者なのか
三島由紀夫の首と息子の音楽
芥川龍之介と世界文学 
能とオペラの珍しい組み合わせ 
誤訳から生まれた『風俗壊乱』 
日文研と娘と息子と 
日文研と偶然の賜物と 
平成のヒット作『三四郎』
おにぎりと月日の流れ 
戦前戦後両検閲下における文芸 
虫眼鏡で翻訳を 
英語圏における日本文学の将来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

91
村上春樹の翻訳で知られるハーバード大学名誉教授ジェイ・ルービンのエッセイ集。第1部ハルキと私と作品で、翻訳者でもある村上春樹のルービンへの質問の答え「どうせ小説というのはいい加減なものだ」が興味深かった。プリンストン大学の頃の1991年ボストンマラソンで初めて会う。第2部日本と私と翻訳と、で芥川龍之介・夏目漱石・現代作家の翻訳だけでなく、小説「日々の光」の発表まで。柴田元幸氏との交流も現代日本作家にはとても有益なこと。村上春樹が一番好きだと言い、海辺のカフカにも載る、夏目漱石「坑夫」を次に読もうと思った。2021/03/07

chantal(シャンタール)

81
村上作品の英訳者として、村上さんのエッセイにも時々登場するルービン氏。元々は漱石を中心とした近代日本文学の研究者で、村上作品を翻訳するようになった経緯や、村上さんとの交流などがユーモアを交えて語られる。こうした日本文学の研究をしてくれる人がいるのは嬉しいよね。やはり、国内にこもるのではなく、色々な意味で世界へ目を向ける事は大事なのではないかと思う。村上さんの言葉「気に入った本について、思いを同じくする誰かと心ゆくまで語り合えることは、人生のもっとも大きな喜びのひとつである」本当にその通り!2021/07/18

キク

58
春樹さんへの評論本はあまり読まない。原典を超える批評って、小林秀雄くらいでないと出来ない気がするし「他人のフンドシで相撲をとるって、衛生的によくないよなぁ」とか思ってしまう。ただ、著者が「1Q84」「ねじまき鳥クロニクル」等の英訳を行ったハーバード大教授だったので、手に取った。ハーバードの日本文学科で「なぜ専攻したのか?」と聞くと、95%の学生が「ムラカミを原書で読みたいから」と答えるそうだ。村上作品を同時代に原書で読めて幸運だった。あの文章が母国語でなかったら、僕の能力じゃ原書は無理だった自信があります2021/09/25

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

52
日本文学の翻訳者であるジェイ・ルービン氏の村上春樹との交流や村上文学について、芥川や漱石の翻訳について、著者自身の作品について、明治時代の政府からの検閲、戦後のGHQの検閲、第二次世界大戦中の日系人収容所の等。言葉をおろそかに扱わない真摯な人柄が伝わってくる。2017/01/31

kazi

35
村上春樹作品の英訳で有名なジェイルービンさんの本です。村上春樹さんに関する裏話的なエピソードが多く書かれていて興味深かった。特に漱石の坑夫を村上春樹さんに紹介した話しのはジェイルービンだったという話しは面白かったです。それって「海辺のカフカ」の成立に影響を与えたってことですよね。マサチューセッツ工科大学での朗読会の話など、村上春樹の米国での受容のされ方がつたわってきました。その他、芥川龍之介作品に関する話や、夏目漱石作品に関する話など、日本文学への深い理解と愛情に満ちた素晴らしい作品でした。2021/10/18

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