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内容説明
私の翻訳は、稽古場で完成する――。松たか子が、蒼井優が、唐沢寿明が、芝居を通して教えてくれた、シェイクスピアの言葉の秘密。それは、翻訳家の長年の疑問を氷解させ、まったく新しい解釈へと導いてくれるものだった。『ハムレット』『マクベス』『リア王』『ロミオとジュリエット』『夏の夜の夢』……。訳者と役者が名作の知られざる一面へと迫る、深く楽しい発見に満ち満ちた作品論。※新潮文庫に掲載の図版の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
151
松岡さん訳のシェイクスピアは今二十数冊まで読んでいるのですが、このエッセイというかシェイクスピアの役者とのやり取りによって翻訳をさらにブラッシュアップさせていく過程が書かれていて楽しめました。むかしは結構舞台を見に行ったのですが最近はとんとおみかぎりで行っていません。この本を読むと、いきたくなりますが、蜷川さんがおなくなってしまったので誰が後をついで行かれるのでしょうか?2016/06/08
ケイ
118
訳している際にピンと来なかったセリフが、自分の訳を元に演じている訳者さんとの会話で突然に体感したというエピソードは面白かった。当時は20歳ぐらいだったであろう松たか子。天性のものを備えておられるのだろう。リチャード三世とアンとの会話を引き合いに、シェイクスピア劇の中では、対になる台詞でやり取りするカップルは結ばれる法則も面白かった。言い合いをしていてもリズムがあればいいのか。未読の作品については今回は理解できないまま。松岡訳33巻を読んでから再読したい。2022/01/10
momogaga
66
今回は翻訳とシェイクスピア劇の舞台裏を楽しむごとができた。翻訳は精緻な作業だが、稽古場で実際に演じる役者たちの言葉によって、作品の解釈が変更になることを知った。作者の松岡さんがずっと解けなかった謎を一瞬でひもといた松たか子。セリフの微妙なニアンスのずれに気づいた蒼井優。唐突な嫉妬をリアルな表現に変えた唐沢寿明。役者の深読みもなかなかですね。2018/06/02
ワニニ
63
いや~面白かった!シェイクスピア観た本数少ないし、作品もいくつか読んだだけ、英語は特別な勉強したこともなく…、でも「ほぉー」「へー」「成程ねぇ」等、思わず声に出してしまう言葉の秘密の数々、それを語る松岡さんと、聞き出し、新たな問題提起もする小森さんの掛け合い、松岡さんの人となりまで興味深く楽しめる対談。戯曲の翻訳者と言えど、松岡さんは頭だけでなく自分の身体でそれをする。そして、それを演じる役者と接し、生きている登場人物を目の当たりにすることで、またその台詞を吟味する。シェイクスピアは勿論、翻訳って深いわー2016/05/18
あむぴの
36
翻訳者ならではの、するどく、細かい指摘。親しいあなたと、そうではないあなたの違いで、オフィーリアのセリフがへりくだるか、へりくだらないか。言葉だけでなく、空間が広がるかのようだ。また、実際の役者の直観での行動も、すごい。言葉、セリフ、動き、心の動き、表情。いろんなことが合わさっての、シェイクスピアなんだなと。2016年4月、新潮文庫。2018/06/20
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