創元SF文庫<br> 鳥はいまどこを飛ぶか

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創元SF文庫
鳥はいまどこを飛ぶか

  • 著者名:山野浩一【著】
  • 価格 ¥999(本体¥909)
  • 東京創元社(2016/10発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488740016

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内容説明

この小説は、最初の二節と最終の二節以外のaからlの配列を任意に変更して読んで下さって結構です――各章の間を自由に飛翔する鳥を異なる角度から追うことによって無数の物語展開を体験できる、実験精神に満ちた表題作の他、三島由紀夫・安部公房らに高く評価された異色作「X電車で行こう」、夜行列車で殺人を目撃した男の奇妙な一晩を描く「赤い貨物列車」、生きた首を拾った男が辿る数奇な運命「首狩り」など全10篇を収録。「季刊NW-SF」創刊、サンリオSF文庫創刊に際し先鋭的なSFや前衛文学の紹介に尽力、創作・評論両面で輝かしい軌跡を残す巨人による幻の傑作が甦る。/解説=高橋良平

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

39
非常に密度の高い傑作選になっている。基本的にすべて読んだことはあるが、改めてすべて読み返してみた。著者あとがきにもあるように「消えた街」「マインド・ウインド」以外は不条理SFである。中でも「カルブ爆撃隊」は著者がある意味行きついた作品だと思う。「X電車で行こう」「赤い貨物列車」なども今読んでも面白い。「首狩り」も単なるアイディア作品ではなく、どうして福島正実がそこまで嫌っていたのかわからない。巻末の高橋良平氏の解説も良かった。2011/11/15

ハチアカデミー

20
安部公房も絶賛したという「X電車で行こう」が凄い。実体がなく、音だけが聞こえる幽霊電車が日本全国を駆け巡るシュールな作品。その行き先が唯一分かる男が、電車に翻弄されていく。SFファンだけが読む作品にするのはもったいない。「カルブ爆撃機」では、身に覚えのない事件で収監された男が、監獄の中で、自分が戦闘員であるという妄想に取りつかれる物語。両者ともに、人間の頭の中の奇怪さを描くスペキュレイティブ・フィクションである。順番は自由に読めとことわる表題作も良い。日本SFの、文学としての凄さも知ることができる一冊。2015/12/27

かとめくん

12
不条理SFの走りともいえる作品群。今読んでもちっとも古びていないのは現実世界が今も変わらず不条理な不安感に包まれているからだろうか。必死でしがみついている自分の拠りどころがいとも簡単に崩れてしまう世界。そのとき、自分だったらどうするのだろう?2012/04/23

5
おすすめされて読んだはじめましての作家さん。おお…と思うお話もあれば、「???」となるお話も多く、あまりピンときませんでした。「消えた街」「赤い貨物列車」「X列車で行こう」が面白かった。ドイツ連邦鉄道の特急がくるの良かったな〜見えない団地や電車も好きな世界です。「マインド・ウインド」「カルブ爆撃隊」「霧の中の人々」は苦手な方の不条理劇…不憫になります。でも、真性マインド・ウインドが福岡市の大濠公園から西に向かって行進してたのは面白かった。唐突に土地勘バリバリある場所、村上龍「半島へ出よ」エリアです。2024/11/06

シロビ

5
「鳥はいまどこを飛ぶか」「X電車で行こう」「カルブ爆撃隊」「首狩り」が好き。現実として認識する世界との折り合いがつかない自分の意識。何かから逃げ出す為、新しい何かを始める為、現在と異なることを求める時には考えることが必須で、全てをなかったことにできない自分の思考の連続性にうんざりする…。でも、自分の思考からしか生まれない他人の知らない世界にわくわくしたりもする。とっても共感するし、読んでいる間は楽しいけれど、読み終わると「会社行きたくないなぁ…生きるの大変だなぁ…」と思ってしまう物語たち(笑)可愛い。2019/04/11

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