内容説明
奈良・新薬師寺の香薬師像は、旧国宝に指定され、白鳳の最高傑作といわれた美仏。しかし、昭和18年に盗難に遭い、未だに行方が分かっていない。この香薬師像を見つけ出そうと、元産経新聞の記者である著者が取材を開始。新薬師寺住職の全面的な協力を得た調査の結果、衝撃の新事実が発覚。ついに、像の一部である「右手」を発見する……。美術史的にも非常に意義のある大発見までの経緯をまとめた、渾身のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
80
ノンフィクションですが、かなりビックリ。 会津八一がこよなく愛した新薬師寺の小さな仏像。73㎝という手ごろな大きさが災いしたか3度も盗まれ、いまだ行方不明。 著者は執念で追います。 夫が山伏で、気の治療の大家、香薬師像の模造所持、というのもビックリ。 どうやって知り合って結婚したのか、なんて、余計な興味が・・2021/05/23
Shoji
32
明治から昭和にかけて、三度に渡って盗難にあった新薬師寺の香薬師像。今もなお、発見されていない。著者が盗まれた香薬師像を追い求め、ついに右手を発見するまでのノンフィクションだ。著者の大変なご苦労をもって右手を発見した時には、驚嘆し全身を鳥肌が覆ったであろうことが容易に想像できる。今なお発見されていないお体がいつの日か新薬師寺に戻ることを切に願って止まない。2024/04/22
ひげおやじ
3
三浦じゅんさんのお薦めで読んでみた。香薬師像の右手が発見されるなんてすごいですね。香薬師像が見つかることを祈ってます。奈良に行って香薬師像の右手を見て観たいものだ。2017/01/02
Jirgambi
2
白鳳仏という、今ではかけがえなく貴重な文化財であっても、明治〜昭和中期という混乱期では盗難・切断、そして情報の錯綜が普通に起こりうる。今回の実物発見に至るノンフィクションも面白いが、かつての「旧国宝」の盗難経緯もあやふやにある時代があるという、今ではあり得ない不可思議さも気になる。さて、次は作者の続編作である武蔵野の白鳳仏の由来というまた別の謎を読むか、それとも何を読もうか。2021/09/20
まきまき
2
内田康夫「平城山を越えた女」で、三度もの盗難に遭い、最終的には右手だけが発見されたドラマチックな仏像のことを知った。光明皇后の念持仏だったという、夢見るような眼差しの小さな仏像。三度目の盗難の後はついに還らなかったが、写真や石膏複製が残されており、その姿を偲ぶことができる。本著では、この像を愛した會津八一や福岡隆聖師の紹介を交えつつ、失われた香薬師像の歴史を丹念に辿る。細い糸のような目撃証言を辿って、ついに古寺に眠っていた右手を発見した経緯は、まさに推理小説を読むようでワクワクした。2018/08/16
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