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内容説明
いよいよ激戦に突入。南山、遼陽、沙河での陸戦、黄海、蔚山沖での海戦の後、二〇三高地の死闘を経てついに旅順要塞が陥落するまでの攻防、国民の反応とその変化を詳細に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつのすけ
41
この第2巻は、203高地の戦い、旅順の陥落が含まれている。以前読んだ司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」でも思ったのだが、なぜ陸軍は、旅順の戦いにおいて、戦術を変えずに、ひたすら突撃を繰り返したのだろうか。それはさておき、第3巻では、日本海海戦がはじまる。さっそく読み進めよう。2020/09/22
aponchan
18
第1巻と同じく、かなり読破には時間を要した。戦死者の記述には心が痛むし、改めて乃木希典の無能ぶりとそれを許した世の中が嫌になる。2022/02/12
skunk_c
16
瀋陽会戦、黄海海戦、旅順攻略戦の戦史を、主に新聞や手記を引きながら語る。特に再三にわたる旅順攻略戦で、多数の死傷者を出しながら、中央突破の「無理攻め」を繰り返す様子が描かれるが、乃木将軍に対する評価は定まらないとする。曰わく人格者であったが軍事理論家としては古く、参謀に恵まれなかったのではないかと。また、陸軍の長州閥、海軍の薩摩閥の圧倒的なこと。例によって昭和の戦争を想起しながら批判を加えているが、果たして日露戦争が褒められたものかというとかなり疑問。その失敗を忘れ、成功を神話化した愚の起源はどこに?2016/10/05
ryuetto
5
兵士たちは戦いに行ったんじゃない。殺されに行ったんだと思う。相手が機関銃で攻撃してくる中をみんなで突撃なんて、信じられない。そりゃあ、屍累々になるよね。そんな風に殺されていった人たちが気の毒で、そんな指示を出していた当時の指導者に対して、頭にくる。 最初に失敗した時点でやり方を変えればいいのに、同じことを何度も繰り返して、更に死者を増やしていくなんて、あまりにひどい。 与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」という詩は、日露戦争に行った弟のことを歌ったものだったとはじめて知った。2023/04/26
Hiroshi
5
日露戦争史の第2巻は、南山の戦いから旅順要塞の陥落まで。鴨緑江を渡った第1軍に続き、第2軍が遼東半島に上陸する。クロパトキンの戦略は、潰走ではなく整然と退却しつつ、次の拠点で抗戦にでる。それを反復しながら日本軍の多大の出血を強要し、大陸の奥へと引っぱり込んでいく。そして日本軍の兵站が伸びきったところで一気に大軍による決戦に出て殲滅する。だから大日本軍帝国陸軍は南山・得利寺・遼陽と進む。黄色人である日本の戦争公債の人気がない。ユダヤ系財界人から買いが入り(ロシアはユダヤ人を弾圧)、連勝もあり募債は成功した。2018/12/22